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サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
完結][大学生][季節柄][コメディ]



EP.8 一夜の度胸試し(1/4)
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あれからのそれから

海に行って、お祭りに行って、8月31日が終わると共に夏終了。
その次の日に秋が到来!したわけだが、残暑が続いて続いて、まだまだ夏気分が抜けない。抜けれない。抜け出せない今日この頃。
それぞれの学校で期間はバラけているが、9月になっても大学生は夏休み真っ最中なのだから。

「・・・・・・・・・。」

そんな節の中で、ユーキはユーヤの強さを知る。

「ヒナ〜。暑い暑い〜!パンイチになってもいい?」

「ダメ。ユーヤ、いくらなんでも人の部屋でだらけすぎ。」

「だって暑い〜。我慢できない〜。脱ぎたい脱ぎたい・・・っと。脱いじゃった。テヘペロ〜。」

「あぁもう。お腹冷やしても知らないからね。」

夏の終わりであんなことがあったから、自分はちょっと気まずかったのに。
ユーヤはいつもどおり。自由すぎる自由な彼にアッパレだった。



作者も苦手です

「あ゛〜、涼しぃ〜♪」

ヒナの部屋で過ごす三人。
部屋主が冷房に弱い関係でクーラーはなく、室内を涼める唯一の扇風機をパンイチ野郎が一人で占領。

「ちょっと。ユーヤ邪魔!そこいられると、こっちに風こないんだけど。」

「ヒナもパンイチになればいいじゃん。涼しいよ?」

「絶対やだ。」

冷たい麦茶をご馳走になりながら、のんびりとしていた。

「そういえばユーキ。」

「は、はい!」

「課題は大丈夫?順調に進んでる?夏祭り前にユーヤから課題溜まり気味になってるって聞いてたけど。」

「あ。だ、だだ、大丈夫です、はい。ユーヤが手伝ってくれたので。」



4マイナス2

ユーキの課題も、ユーヤ様々のおかげで順調。

「それで時間に余裕ができたので、今日の便で実家に帰ることになりまして。」

8月の混雑ピークを避けていたユーキは今日の夕方から一時帰省。
少しの間だけ、サンフラワーから姿がいなくなる。

「帰省したいって言ってたもんね。そっか・・・。レイも合宿免許中で今いないから、ユーキもいなくなると寂しくなるね。」

「あれ?レイ先輩いないんですか?てっきり日中もバイトでいないのかと思ってました。」

「あれ?ユーヤから聞いてないの?この間の海で取り行く決心付けたみたい。元々、貯金してたみたいだから。」

でもそれはユーキ一人だけじゃなかったようだ。



4マイナス2イコール2

「でも大丈夫?予報だと明後日には台風こっち来るみたいだから。」

「行きと帰りだけトラブルに遭わなければ大丈夫です。ボクの地元、あまり台風と縁がなくてだいたい逸れていきますから。」

サンフラワーにレイがいなくて、ユーキもいなくなって残るのはユーヤとヒナの二人のみ。
台風も不安だが、そっちにもいろんな意味を込めた不安を感じる組み合わせ。

「ユーキ。白色の恋人と生なキャラメルよろしく〜。」

「こら、ユーヤ。お土産せびんないの!」

「ん!?あ、あ、あああ・・・ッ!ヒナ!トイレ!トイレ貸して!緊急事態!緊急事態ー!一足先にお腹に台風がーッ!!!」

「もー、だから言ったのに。」

「はぇぇぇぇ〜・・・。」

いつもどおり自由なユーヤはともかく、いつもどおり保護者になってるヒナとなら大丈夫そう?



残る二人

「ではでは、いってきまーす!」

「いってらっしゃい。気を付けてね。」

そしてその日の夕方にサンフラワーを発ったユーキ。
姿が見えなくなるまで見送るユーヤとヒナの二人。

「そういえばユーヤは帰らなくていいの?まだ帰省してないんじゃ?」

「うん。でも今はヒナが非常食に手を出しそうで心配だからいいや。」

「ん?それ、どういう心配され方だろう?昨日、買い物したばかりだから大丈夫だよ。」

「万が一の念のため。非常食は非常のためのものだから。」

そしてそれぞれ自分たちの部屋に戻って、ほどよい時間になった頃、就寝についた。

「なんだろう?ユーヤに食べられそうで不安になってきた。人の非常食、食べないでね・・・。」



やってくる爆弾低気圧

翌日。
天気はどんよりとした曇り空。
正午を迎えると、ポツポツがザーッと本降りに変わった雨。
風も次第に強くなっていき、台風の訪れを感じさせる。

「ああ・・・。やっぱり今夜に変わってる。」

ヒナは自分の部屋で課題を進めながら、台風の進路状況をテレビとネットの両方で確認。
速度が上がってきた台風に不安を覚える。

「ユーキもレイも大丈夫かな・・・。」

その時、

「!」

コン、コンと。玄関からノック音が二回。

「???」

ビクッと体が無意識に警戒して覗き穴からドアの向こうを確認すると、そこにはユーヤの姿が。

「お昼ご飯まだ〜?」

ニッコリとした笑顔でご登場。



ヒナの部屋に揃う二人

「ユーヤ。人の部屋に来るのは構わないんだけど呼び鈴、ちゃんと鳴らしてね?」

「えー?オレ鳴らしてなかった?」

「鳴らしてなかった。ビックリして、少し不審に思っちゃったよ。」

そしてユーやは、そのままヒナの部屋に招かれて、一緒にお昼ご飯を共にする。

「でもちょうどよかったんじゃない?ヒナって結構、不用心だから自宅警備の心得を思い出せれて。」

「これでもしっかり気を付けてるから、ユーヤが心配することなんてないよ。」

いつもの流れで。それが当たり前のように。

「・・・レイのときは、そんなこと微塵も思わないくせに?」

「ん?今、何か言った?」

「お昼ご飯なに?」

「冷やし中華でいい?今から作るから、ちょっと時間かかるけど。」



一緒にお昼ご飯

細く切ったきゅうりに、細く切ったハムに、細く切った薄焼き卵。
その三種類だけがシンプルに盛り付けられた二つの冷やし中華。

「何の違和感もなく作っちゃったけど、ユーヤ。なんで僕んちにお昼ご飯食べに来たの?」

「なんでって理由いる?ほしい?」

「まさかだと思うんだけど。・・・食材、切らしてるとか言わないよね?」

作り終えたヒナは食卓のテーブルに運び、それぞれユーヤと自分の前に並べる。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「よ、夜ご飯もお願いしてもいい?明日になったら、ちゃんと買い物行ってくるから。」

「人の非常食を気にしてたのも、それが理由に当て嵌まってない?」



冷やし中華にマヨネーズ

「ヒナ。マヨネーズない?」

「あるけど。何に使うの?」

そう言ってヒナからマヨネーズを受け取ったユーヤ。
そのまま冷やし中華に目掛けて、ぶゅにゅにゅにゅにゅ〜と得意げにぶっかける。

「え!?冷やし中華にマヨネーズ!?」

「うん。冷やし中華にマヨネーズ。あれ?ヒナ、冷中にマヨやったことないの?」

「からしならあるけど、マヨネーズはやったことないね。」

冷やし中華にかけられた真っ白なマヨネーズ。
ユーヤの言動を一部始終見ていたヒナは、見慣れている食べ物に見慣れない食べ方で凄く驚いていた。

「これも地方によって違うんだね。そんなに珍しい話じゃないよ。オレとしてはコレ普通だし、友達もマヨかけて食べるよ。」

「そ、そうなんだ・・・。」



冷やし中華にマヨネーズ 2

「美味しいの?それ。」

でも引いてはおらず、むしろ興味を示していた。

「なんなら少し食べてみる?はい、あーん。」

なのでマヨネーズを混ぜ混ぜした冷やし中華を箸で適量取ってあげる。

「・・・量、多くない?」

「これぐらいイッキでいけるって。平気、平気。」

「だって口に合わなかったらヤだし。もう少し減らして?」

「もう仕方ないな。はい・・・。これぐらいで、あーん。」

そしてユーヤからヒナへ。
マヨネーズINした冷やし中華を食べさせる。
その感想は、

「どう?はじめての感想。」

「・・・不思議。冷やし中華にマヨネーズって合うんだね。」

悪くなかったようだ。



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