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サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
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EP.7 夏のハプニング祭り(2/3)
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ヒナからレイへ

「な・・・ッ!?」

「へへ。奪っちゃった。」

レイの不機嫌に気づいていたのか。

「機嫌悪くしてるみたいだから、どうしたのかなって思って。全然、視線も合わせてくれないし。」

ヒナなりにヒナのやり方で、不機嫌な彼をあやす。

「ちょっとは元気出た?」

「・・・バカ野郎。」



レイからヒナへ

「似合いすぎなんだよ、その格好。直視できるか。」

「あれ?今年は褒めてくれるんだ。去年そんなことなかったのに。」

そのままレイの腕に抱かれるヒナ。
その力は少し強くて、絶対に離さないようにしている。

「ユーヤも変に煽ってくるし・・・っ。」

「レイ?本当にどうしたの。ユーヤと何かあったの?」

そして、

「家まで我慢、出来なくなっただろうが・・・!」

「・・・え?」

今度はレイからヒナへ。
半場強引に彼の唇を奪った。



暴走と強行と抵抗と降参

それは一瞬より長く。
重ねた時よりも深く。

「待って、レ!・・・っ。ちょっと待って!レイ!!」

いきなりのはじまりに焦りを見せるヒナの声色。
離しても離しても重ね合わされて、小さな抵抗を見せても、レイの暴走と強行が止まらない。

「も・・・っ、バカ!」

しまいには巻き沿いをくらい、降参を態度で示す。
そして二人はさらに人通りのない茂みの奥へ奥へと姿を消していった。



知ってしまう関係

ユーヤとも逸れたユーキは、ユーヤを追わずに来た道へ戻っていた。

(び、びっくりした・・・。)

その時、偶然にもヒナの鼻緒を直していたレイたちを発見。
けれどヒナからレイへ口づけしたあの一部分を見てしまい、声を掛けるタイミングを逃し、近くにあった木に身をひそめて隠れていた。

(ヒナ先輩。レイ先輩とキ、きき、チュー・・・してた。)

ドキドキと高鳴る感情。
それは驚きだけが起こしてる症状ではないことを、汗ばむ体が彼を火照させて覚えさす。
そうして決めた覚悟で、もう一度チラッと覗いたが、そこにはもう二人の姿はなかった。

「・・・いなくなっちゃった。」



前者はご想像にお任せ

(どうしよう。)

ヒナとレイの二人と、また逸れたユーキ。
今、彼に与えられたのは『追う』か『追わない』かの二択の選択肢。

「ごめんなさいッ!」

外見は中学生だけど、中身はちゃんと大学生。
二人の関係がすごく気になるところだけど、見慣れてない光景の刺激が強すぎたせいか。

(ひーん!すごくびっくりしたよーーー!)

ユーキは自分の名前に背を向けて、この場から走り去り、来た道から逃げ出した。



鉢合わせた二人

あの二人から、どれだけ離せれただろう。

「お。いたいた。ユーキ!」

「あ・・・。」

前方からやって来たユーヤと、ようやくご対面。

「やっと見っけた。いつの間にか三人ともいなくなってて、ユーキに話しかけたつもりが大きな独り言になって焦ったよ。射的のおっちゃんに恥かかせられたし。」

どうやら彼も逸れた三人を探していたようだ。
そのうちの一人、ユーキを見つけられてホッとした表情を見せる。

「ごめん、なさい。・・・勝手に逸れちゃって。」

「いいよいいよ。オレも後ろ見ないで勝手に突っ切っちゃって悪かったし。」

そしてユーキもユーヤと鉢合わせられて、ようやくホッと息を吐いた。

「これから花火上がるんだって。皆で見に行こうよ。」



ユーキは正直者?

「って、あれ?ヒナとレイは?もう帰っちゃった?」

「!!」

「ユーキと一緒じゃなかったのか。」

でも、それは束の間。
ユーヤが見つけられたのはユーキ一人だけだったことに直ぐ気が付いて、他の二人を問う。

「・・・ぁ。」

「ユーキ?」

「ボクも気づいた頃には逸れちゃってて・・・、その。」

そして彼の変わった様子にようやく気付く。

「さっき一緒にいるとこを見つけられたのですが、また逸れちゃいまして。」

さっきまで自分と一緒にあれだけはしゃいでた人間が、これほどまでにヘコんで静まり返っていたのだから。



何を把握して

「なにそれ?どういうこと?」

「・・・・・・。」

「ユーキ?」

訳を訊いても、口は閉ざされたまま。
だんまりが続けば続くほど、問っても問っても埒があかない。
だからユーヤは持ってた自分の携帯電話を取り出し、

「・・・なるほど、ね。言えないなら言わなくていいよ。それだけでだいたい分かるから。」

「え?」

「けど逸れたままじゃ心配だから、二人に連絡してみるよ。」

「あ・・・!」

今まで聞いたことのない低い声を口に。
瞬きよりも早い手慣れた操作で、着信履歴からヒナの携帯電話に掛けようとした。



何を察したのか

その途端、

「ユーヤ、ダメ!!!」

「!!」

ユーキがユーヤの携帯電話を強引に奪って、二人の邪魔を阻止する。



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