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サンフラワーへようこそ同じアパートに住む大学生たちのお話
[完結][大学生][季節柄][コメディ]
EP.5 夜空の七夕(3/3)
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それから二時間後 | 「ちぇぇ〜。結局、ヒナに勝てなかった・・・。結構、本気で歌ってたのに。」
「僕もビックリしたよ。あそこまで点数いけたの久しぶりだったから。」
10分前コールを貰ってから約8分後、受付のフロントに再び見えた三人の姿。 精算に立ち会ってくれたのは、もちろんレイ。
「ほら、のど飴。サービス品だから一個ずつ持ってきな。」
お会計は全てヒナの財布から。あまり邪魔しないようにスムーズに済ませた。 はずだったが・・・。
「それとヒナ。」
「ん?」
「お前だけ書いてないだろ?せっかくだからヒナも何か書いてけ。」
「え!?」
レイからヒナへ。 なんと一枚の短冊が渡された。
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ヒナの願い事 | 「僕、こういうの苦手なんだけど・・・。」
一枚の短冊に難しい顔をするヒナ。 うーんっと悩んでいると、
「お?何?何?ヒナ何て書くの?」
「ボクも気になります。ヒナ先輩の願い事。」
「ほら。ちゃっちゃと書いてくれ。」
ユーキ、ユーヤ、レイの視線が三方向から大集合。 余計なプレッシャーを余計に与えられ、手を戸惑わせる。
「・・・キミらワザとやってないよね?」
「「「え?」」」
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ヒナの願い事 2 | 『彦星様と織姫様が会えますように』
やっと一枚の短冊に書かれたヒナの願い事。
「えー、なにこれ?つまんなーい。」
「ヒナ先輩、真面目ですね。」
「え。だって七夕ってこういう日じゃないの?」
「そこ二人はめちゃくちゃ自分の欲だらけだったぞ。」
欲ゼロの願いに微妙な反応な三人。
「レイのバカ!勝手に見ないでよ!オレの願い叶わなくなっちゃうじゃん!」
「ってことはボクのお願いも叶わなくなっちゃうんですか!?」
特に欲まみれだった二人は自分の欲に必死。 レイに見られて恥ずかしく思うより、叶わなくなってしまうことに対して青ざめていた。
「・・・バカはないだろ、バカは。」
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帰りは四人で | 「あと15〜20分ぐらい待てるか?もうじき上がる時間だからさ。」
「僕はいいけどユーキは大丈夫?眠たくない?」
「はい大丈夫です。ボクもレイ先輩待っていたいので、それぐらいなら平気です。」
三人が帰ってしまう前に呼び止めるレイ。
「えー。やだー。さっさと帰りたーい。」
「ユーヤには聞いてない。」
「えーっ!」
「帰りに何か買ってやるから大人しく待・・・「分かった!待ってる!いつまでもレイのこと待ってるよオレ!」
「おま・・・ッ。せめて最後まで言わせろ。」
こうして帰りは四人揃って。 サンフラワーのアパートへ帰宅したのでした。
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七夕の夜空 | カラオケからの帰り道。 梅雨が明けてない曇りの夜空を見上げた一同。
「やっぱり天の川、見れないね・・・。」
「七夕の日って、いつも雨か曇りかのどっちかですよね。」
「そういえばオレも見たことないや。」
「普通の夜空も昔ほど見れなくなったって言うからな。」
誰か一人でも短冊に願えば、見れたかもしれない天の川。 作者も一生に一度でもいいから、生で見てみたい天の川。 分厚い雲がかかる向こうの夜空には、無数の星で広がる天の川が綺麗にかかっていることを願い。 これにて便利を便利に便利で始めた七夕回の幕が閉じるのでした。めでたし、めでたし。
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「サンフラワーへようこそ!」の第五話を お読みいただきましてありがとうございます!
マジで天の川を生で見たことがないので、 天の川を観測する描写が出来ませんでした(涙)
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