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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.6「こいつ借りてくぞ」(1/5)
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だるい。
体が重い。
悪寒が走り、寒気が止まらない。

「錦くんおはよー。」

「おはよー、錦くん。」

「え、あぁ、おはよう。」

(どうしてだろう?)

疑問に思いながら学校に登校。
寝ぼけも覚めたというのに、調子を上げられないまま教室へと向かう。
それに、なんでだろう・・・。

「錦くんきたぁっ!」

「錦くん、おはよー。」

「おはよー、錦くん。」

「おはようございます、錦くん。」

「お、おはよう・・・。」

なんでだろう。
同じクラスメイトの女子生徒が、いつにもましてなんか怖い・・・。
キャーキャー黄色い声を上げて群がられるのは毎度のことなんだけれど。
今日はなんでだろう。
いつもにまして狙われてる感がハンパない。

(今日、何かあったっけ?)

「おはよーっ!浬くーーーーんっっっ!!」

「!」

そんな中、群がる女子の間を割って入ってきた及川。
今教室に着いたばかりか。
カバンを背負ったまま、こっちに飛びついてこようとする。

(・・・・・・。)

そんな栗毛野郎の動きを読み、冷静に対応を。
ササッと華麗に躱したものだから、そのままの勢いで及川は壁にドーンッと激突して撃沈。

「な、なんで避けるの・・・、浬くん・・・。」

「1メートル以上近づかないで下さい。」

女子生徒に「大丈夫?」と心配される及川だったが。
勢いよくぶつかった割には、意外と平気だったらしく。
直ぐに復活して立ち直ってしまう。

「浅かったか。・・・チッ。」

「え?浬くん今、何て言った?浬くんらしくない言葉と舌打ちが聞こえたような???」

「えー。錦くんがそんなこと言うはずないよ。」

「そうだよ及川くん。なんでもないよ。なんでもないから1メートル以上近づかないで下さい。」

近づくなと言っても近寄ってくる栗毛野郎。
群がってる女子生徒たちも、ここに及川が入ってくるのを、すっかり公認しているようだ。
二人の男子を囲んで、きゃあきゃあと話を盛り上げる。

「そういえば一限目のロングホームルーム席替えだったね。」

「席替え?」

「あれ?浬くん覚えてないの?昨日、担任がそう言ってたじゃん。」

「そう、だっけ?」

(席替え・・・か。)

「女の子たちも張り切ってるよね。いろんなおまじないのグッツ付けてるし。誰目当てなのか分からないけれど効果出るといいよね。」

『御呪い』と書いて『おまじない』。
席替えと聞いて周りの女子生徒をよく見ると、普段あまり身に付けてこない物を身に付けている子ばかり。
それを見て朝からいつも以上に狙われている理由を、なんとなくで把握。
おまじないの効果が出ているかどうかは分からないけれど、一つ一つの小さな勢力が一カ所に集まり、とても大きな力と化していたら・・・。
朝から止まらない悪寒も、それが原因になっているのかもしれない。

(だんだん頭も痛くなってきた・・・。)

「よし。僕も浬くんと席が近くなれるよう、おまじないしておこ♪」

「や、やめて。これ以上はやめて・・・。」



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