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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.5「私についてきて下さいね」(6/6)
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ブーッ、ブーッ。


「!」

それはスマホのバイブ音。
授業中に突如受信したメール。
優等生の錦 浬のスマホではなく、自分の本来のスマホが反応していた。

(え・・・。)

授業終了後。
他の人に見られないよう男子トイレの個室へと逃げた俺は、そのメールを確認。
なんと送信相手は、神崎先生から。

『昼休み。いつもの場所にてお待ちしております。』

いつも俺から誘いをかけていたのに、今日に限って向こうからの誘い。
そのメールに返信はせず、トイレから出て再び教室に戻り、昼休みになるまで時間を待った。
なぜだろう。
この誘いに怖気づく俺。
これを断ってしまったら逆に何をされるか分からない。
昼休みになると俺は人の目を上手に盗んで、指定されたいつものあの場所へと向かう。

「神崎・・・、先生?」

そこには神崎先生の姿が見えず、キョロキョロと辺りを見渡す。
すると後ろから神崎先生の声がして振り向いた途端、

「こっちですよ、浬くん。」

「!!」

ブレザー制服のネクタイを乱暴に掴まれては引き寄せられ、この唇をまた奪われた。

「んんっ!?」

突然のことで何が起きたのか分からず。
壁に押し当てられて逃げ道を失う。
塞がられた口から無理矢理入ってくる舌。
その刺激は数時間前の出来事を、心の奥の底まで思い出させる。

「・・・!!」

抵抗していたのは最初だけ。
絡めてくる舌に自分からも絡めて、より深く濃厚に。

「ん・・・っ。」

どういうつもりで彼は俺の唇を奪ったのだろう。

「な、なにし・・・ッ。」

「朝、昇降口でしてましたよね。及川くんと。あんなにも堂々と見せつけてくれてましたよね。」

「見せつけ!?」

「浬くん。私だけでは物足りなかったのですか?」

「違・・・っ!あれは及川が勝手に!てかアレを見てたんですか!?」

俺のこと好きじゃないくせに。
俺のこと愛してもないくせに。
神崎先生の一番は俺じゃないくせに。

「貴方は私だけを見ていればいいんです。」

「・・・ぁ。」

「これ以上、私に余計な感情を持たせないで下さいね。さもないと私が貴方に何をしだすか、私にも分かりませんから。」

俺の瞳に映る神崎先生は、間違いなく神崎先生本人。
そんな彼を見て俺は、こう悟らされる。
いつだって神崎先生は優しい人でした。
本当に優しい人でした。
でもそれは『学校の先生』としての姿であり。
学校の先生として触れ合っていただけ。
けれど本当の彼は、そんなものなんて持ち合わせていなかった。
優しさなんて微塵もなく、恐怖さえ覚えさせられる。
神崎先生も俺のように、ただ仮面を被っていたのかもしれない。
それをこの身を通じて、教え刻まれるのであったー・・・。




つづく





仮面優等生の歪いた愛欲 第5話を
お読みいただきありがとうございます



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