≪ top ≪ main

仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.5「私についてきて下さいね」(4/6)
]  [目次へ]  [


翌日。
やっと神崎先生から解放された、俺は身も心もボロボロのまま自宅へと朝帰り。
時間が時間で寝ていられる隙もなく、シャワーを浴びて、そのまま学校へ登校。
『優等生』という肩書きは、こういうときすごく不便だと思う。
『友達の家に泊まって勉強していた』と、定番の嘘をついた結果。仮病どころか遅刻さえも許してもらえないのだから。

(何が「私の相手はつとまりませんよ」だ。俺を好き勝手にしやがって。)

腰は痛いし。
目はチカチカするし。
体もなんだか怠い。
もちろんまだ神崎先生の感覚が離れてなく、あの日以上に最悪な状態だ。
今日は体育の授業がない分マシだけど、どこか途中でエスケープしたい気分。

「ん。」

「あ。」

学校へ着くと、昇降口の下駄箱にてオールバック野郎の大瀬と鉢合わせ。
彼も今、到着したばかりか。
スポーツ用の運動靴から上履きに履き替えていた。

「昨日、あれから大丈夫だったか?」

「え゛っ。」

「ほら。昨日の放課後、及川と何かあったんだろ?」

「あ・・・。」

昨日の放課後。
及川とのことを大瀬に言われて、ふと思い出す。

(決して忘れていたわけじゃないが。その色々あって、その・・・。)

ここに大瀬がいるってことは、及川も近くにいる可能性高いよな?
昨夜のこともあり、まだ彼とは顔を合わせたくない・・・。
俺は警戒に辺りを見渡し、及川の姿を探す。

「大瀬くん。及川くんは?」

「さあ?いないなら、今日はまだ来てないんじゃないのか。」

「そう、なんだ。及川くんと大瀬くんって、いつも一緒だから今も一緒かと思って。」

「あ?なんだ?そのイメージ。オレもアイツと、いつも一緒ってわけじゃないから。」

「そっか・・・。」

(この役立たず。)

どうやらまだいないようだ。
けれど及川と大瀬が、よく二人でつるんでる姿を見れば、いつも一緒じゃなくても、いつも一緒だと思うのは俺だけか?

「喧嘩か?」

大瀬はどうやら昨日のことが、気に掛かっているようだ。
いつもなら自分の彼女絡みのことで、突っ掛ってくるくせに。
いつにもなく俺を?及川を?心配していた。

「喧嘩なんて珍しいな。まあその相手が及川っていうだけあり、どうせ変なこと言われて揉めただけだろ?」

「あー・・うん。いちお多分そんなところ、かな。」

「だろうと思った。アイツが言うことあんまり気にしない方がいいぞ。オレもアイツが考えてること全然分かんねぇし。」

及川と大瀬は、普段から仲がいいと思っていたのは俺だけか?
二人は入試のとき隣同士の席になり、そこからなんとなく話すようになったと大瀬に聞かされて知る。
ゲームも時々一緒にするけれど、それは本当に時々。普段からそこまで一緒に遊んでるわけではないと教えられた。

「ま。そう及川のことを深く考えず、いつも通りでいいと思うぜ。」

(そういうモノなのか。)

そんな話を大瀬から聞き、何かが引っ掛かる感じが走る。
なんだろう。
それをどう言葉で表現していいのか分からない。
分からないんだけど、何かが引っ掛かる。

「だから気にすんなよ浬。及川も多分あの様子じゃ、そこまで気にしてないと思うし。」

「うん。・・・ん?」

けれどそれは大瀬に俺の名前を呼ばれた途端、掻き消されてしまう。
今コイツ、なんて?
俺のこと、なんて呼んだ???

「どうかしたか?浬、変な顔して。」

(・・・聞き間違えじゃない。)

「あ、いやー・・。大瀬くんって前から俺のこと、そう呼んでたっけ?」

突然、下の名前で呼ばれて拍子抜けた俺。

「あ?あー・・ダメだったか?及川も浬って普通に呼んでるから、てっきり。」

「及川くんは、もう好きに呼ばせてるっていうか。」

(何度言っても直さないから諦めたというか。)

「それに前言ったろ?お前も好きなようにオレを呼んでいいって。だからオレもそうさせてもらっただけだ。これなら互いに公平だろ浬。」

大瀬も及川と同じで、我が道を好きなように歩くタイプのようだ。
そうニッコリとした笑顔で言われたら、ダメだと言っても直す気がないように思えた。
及川の件が先にあったからな。
どうせコイツも同じで元に戻さないだろう。

(直せと言った分だけ疲れそうだ。)

「・・・好きにしていいです。もう。」

「お。じゃあ問題ないな。」

何かを言う前に始めから諦めた俺。
はぁ・・・と溜息を吐きながら、革靴から上履きへと履き替える。
そのとき、



]  [目次へ]  [
しおりを挟む


BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -