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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.5「私についてきて下さいね」(3/6)
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神崎先生に会った帰り道。
そのまま自ら車に乗り込んで、ホイホイどこかに連れ込まれて、それから・・・。

「〜〜〜・・・っ。」

思い出した俺は急に恥ずかしくなって、ゴソッと体を寝返り丸くさせる。

「!?」

するとすぐ隣にいた体とぶつかり。
見上げるとそこには神崎先生が一緒に横になっていた。

「やっと起きましたね浬くん。今ちょうど夜の8時を迎えるところですよ。」

「ここ・・・、どこですか?」

神崎先生の顔を見て少しホッとする自分。
けれどここがどこなのか分からない。
だからいつもの口調で、神崎先生を睨みながら尋ねる。

「どこって、私の自宅ですけど?」

「なッ!?」

平然と返ってきた答え。
それを聞いた俺は、慌てて寝ていた体を起こす。

(何を考えてるんだ、この人!?)

「ご心配しなくても妻は地元の同窓会に行って、泊まってくるので帰ってきません。だから私、今日は一人です。」

「・・・ッ・・・。」

それでも流石に、いつまでもここに居座るわけにはいかない。
体を起こした俺は不機嫌のまま、手の平を神崎先生に差し出す。

「服。」

「はい?」

「制服返して下さい。明日も学校あるから帰ります。」

「つい先ほど干したばかりですから、まだ暫くかえせられませんね。・・・それに汚しちゃいましたし。」

そんな俺と比べて冷静に落ち着いている神崎先生。
クスクスと笑う顔。
久しぶりに見る笑顔だというのに、警戒心が解けない。
何か企んでいて本当は裏があるんじゃないかと、疑ってしまう。

(あ・・・。)

俺のスマホは!?
辺りを見渡したが、周囲にスマホらしきものがどこにも見当たらない。
優等生の錦 浬が使っているのも。
あの写真が保存されているもう一つのも。

「先に言っておきますけど『あの写真』。俺のスマホから消しても無駄ですからね。データは別のにもとってるので。」

神崎先生の企みを先読みした俺。
何かを言われる前に、そう簡単に俺からは逃れられないことを伝えた。
それでも顔色一つ変えない余裕の神崎先生。
ベッドの隣にあるサイドボードに手を伸ばし、そこから二つのスマホを取る。

「そんな真似、致しませんよ。そんなことだろうと予想付きましたし。」

そしてアッサリと俺の元へと返してきたのだ。

「それでも疑うのであれば、まずはご自分の目で確かめて下さい。浬くんが眠っていた間も何もしていませんから。」

なんだろう。
本当になんなんだろう。
この人が何を考え、何を企んでいるのか分からない。

(とにかく帰ろう。)

明日も学校は普通にあるんだ。
しかもこんな時間なのだから帰らないと、家の人に余計な心配を掛けてしまう。
だから俺は、まだまだ不機嫌のまま再びこの手の平を神崎先生に差し出す。

「服。」

「はい?」

「何か服貸して下さい。このままじゃ帰れないですし風邪引く。ちゃんと洗って返しますから。」

「そう、ですね。その格好で外に出歩くわけにはいきませんし。」

「いいから。笑ってないで、さっさと貸して下さい。」

するとゆっくり自分の体を起こした神崎先生はクスッと小笑い。
顔は笑っているのに、冷たい表情で俺にこう言う。

「浬くん、もしかして通じてませんか?」

「え?」

「私は貴方をここから帰す気はない、と。先ほどから遠回して言っているのですが。」

「!!」

それを聞いた俺は体がビクつき、初めて神崎先生に恐怖心が走る。

「さっきも言いましたよね、私。かえせられない、と。」

「・・・ぁ。」

手の平からそのまま腕へ。
この腕を取られると、このままの格好で神崎先生の腕に抱かれた。
ドキドキする鼓動と恐怖感が俺の中で混ざり合う。

「ま、ちょ、ちょっと待った!」

この二つの感情は神崎を拒ませ、俺は抱かれる腕から離れようとした。
身の危険を感じる警告が体中に巡る。
流されてはダメだ。
このまま流されてしまったら、今度は俺の身がもたない。

「さすがにこれ以上は!」

「あんな強情で私を襲った、あの時の威勢はどこへいってしまったのです?」

「だっ、だってあれは!!」

けれど神崎先生は俺を離そうとしなかった。
再びベッドの上に押し倒して、そのまま人の上に乗っかり首筋に口づけを落とす。

「ん・・・!」

簡単で優しく、痕を残させない。
次に耳元まで舌先でなぞって、俺をゾクゾクと震わす。

「さぁ。先ほど返したスマホでご自宅に連絡入れて下さい。時間が時間ですし、さっさとしないと親御さんに余計な心配かけてしまいますよ。」

「かえ・・・、俺はもう帰・・・・・・ッ!!」

「だから今日は帰さないと。何度も言ってるじゃないですか。」

「・・・っ・・・、親に嘘つけってことかよ?」

そこで囁かれる神崎先生の声。

「無理!もう・・・ッ・・・無理だから!!」

息を掛けられただけで俺は力が抜け、この抵抗が無駄だと分かっていても暴れてしまう。

「浬くん?これでついてこられないようなら、私の相手はつとまりませんよ。」

「・・・!」

「だから今日は、私についてきて下さいね。・・・最後の最後まで。」

これが神崎先生の本気?
壊されそうになってるのは体?心?
もう、何も分からない。

「神崎先生・・・ッ・・・!」

愛してほしいんです。
この一瞬だけでも。
神崎先生に愛されたい。
一瞬だけでいいから。
その思いだけで俺は、神崎先生に必死にしがみ付く。
親に嘘をついてまで、俺は神崎先生を選んだのだった。



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