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青ノ葉 恋文乱

一通の手紙から始まった4月最初の出来事
完結][青ノ葉外伝][恋愛]


EP.1 一通の手紙(4/4)
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明人先輩のおかげで自分の答えが決まったけど、ラブレターの差出人は結局、誰なのか分からないまま。
なので演劇部の練習が終了後、俺は差出人が待つ渡り廊下へ向かい、隅からコッソリ隠れて見ていた。
明人先輩と同じぐらい無条件に信用出来て、いつも頼りにさせてもらってる奴を引き連れて。

「相変わらず演劇部は運動部並みにハードだね。大丈夫?鳴。」

「グラウンド10周+おかわりは・・・ぜーぜーっ。流石に辛かった。輝夜部長マジパない・・・っ・・・。」

「ところで鳴。なんで僕まで連れて来られなくちゃいけないの?こっちはまだ思いっきり部活中なんだけど。」

「いっ、いいだろ!俺だって1人じゃ・・・ぜーぜーっ、心細いの!空だって俺のこと・・・はあはあ・・・心配じゃないのか!?」

「とりあえず息落ち着かせて。呼吸ぐらい整えて。気になってそっちが仕方なくなってくるから。」

その野郎というのは、羽崎 空(はさき そら)。
陸上部に所属しており、種目は走り高跳びの選手。
青ノ葉2年の同級生で、俺とは中学からの付き合いがあるから、今も何かと面倒をみてくれている。
ので今回のラブレターのことも話し、道連れるかのように関わらせて、明人先輩の次だから2人目として頼ってみることに。

「鳴にラブレター・・・ね。」

「いいか?空。絶対俺から離れたりするなよ。断った先で何が起きるか。どんなモザイクされるか。めっちゃ怖いんだから。」

連れてきた理由はもちろん助っ人役の保険要員。
万が一のため。千や百でもその可能性は阻止したいから、部活中であった空を構わず連れ出して自分の傍にいさせた。

「え・・・。断る気でいるの?」

「ああ。」

「鳴が好きそうなイケメンくんでも?」

「あ、あぁ。」

「どうして?」

「あ?理由はなんでもいいだろ。俺にも色々あんの。」

するとその時、

「!」

俺や空以外の誰かが。
この渡り廊下へとやってくる足音がザッザッと聞こえてきた。

「誰か来たみたいだね。」

「しっ!黙って空。こっちに気付かれたら隠れて見てる意味なくなるだろ!」

「ご、ごめん。」

ここで待つと書いてあった文章通り、差出人が来たのだろう。
誰だ誰だ?いったい誰だなんだ?
こんな手紙を俺に寄越した奴は?
正直見るのも怖い。知るのも怖い。
だけど勇気を振り絞って、恐る恐るその現実を目の当たりにした。
するとそこには、

「ーーー・・・。」

「・・・あれは、鬼頭くん?」

日焼けた肌は色黒く189もある高身長の男子生徒。
俺らと同級生で空と同じ陸上部に所属しているスポーツ特待の野郎、鬼頭 冥(きとう めい)がやって来ていたのだった。

「なんで彼がここに?」

差出人の正体を知り、改めてショックを受けた俺。

(え?俺、あの人からラブレター貰ったの!?)

確かに彼とは同級生だけどクラス一緒になったことないし、名前と顔しか知らない程度で、接点ないから話したことがない。
むしろ誰かと話してるとこなんてあまり見たことないし、何考えてるのか全然分からない。
得意不得意で関係を例えるなら、ちょっと苦手なタイプ。
果たして俺はそんな彼の告白を、ちゃんと断ることが出来るのだろうか。




つづく





青ノ葉 恋文乱 第1話を
お読みいただきありがとうございます

今回は青ノ葉外伝と言うことで
サイドストーリー的な感じで書いてます
すでに本編で登場済みの既存キャラを
視点主人公から紹介させるのも楽しいですね♪
キャラを新しく作る必要もないので
初期段階の構成もかなり楽ちんでした

ただワガママ言っていいなら1つだけ
恋文乱組も学寮戦に参加させたかったです

奇数月のみで、2か月に1回の更新となりますが
だいたい4か5話程度で終わる予定なので
気長にお待ち頂けると嬉しいです


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