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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#31 猪突猛進な火属性編入生(2/4)
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アッキーからつかポンへ

その頃、B組では。

「あの、比路くん大丈夫ですか?さっき思いっきり大きな声で呼ばれてましたよね?」

A組より先にホームルームが終わり、一限目の授業が生物科室で行われる授業だった為、自分たちの教室から出て移動していた。
恭のバカ騒ぎは、もちろんB組にもしっかり届いており、聞いていた梅ちゃんも不安そうな色に顔を染める。

「アッキーから『澤村恭って誰?ひろピーの知り合いで間違いないの?』ってメッセージ着た。さっきの声、やっぱりキョウで間違ってなかったな。」

「あのとき寮長が言ってたことって、この事だったんだ。・・・何でここまで来ちゃうかな。」

すると呼ばれた当人の比路は恭に心当たりがありまくり。司も恭のことを知っているようだ。

「ヒロ。とりあえずアッキーに返信しとくよ。」

「うん。『バカを巻き込んでゴメン』って伝えておいて。『あと、ひろピーやめて』って一緒に。」

「OK。」

二人して遠い目をしており、招かれた頭痛に悩まされる。



恭との関係

比路も司も知っているのに、同じ中学出身だった稚空は恭のことを知らない。
それは一体、どういうこと?

「キョウはヒロが昔通ってた道場で会った奴なんだ。」

「なるほど。久野先輩と同じで比路くんの道場仲間だった方なんですね。」

「ううん。恭は道場破りを体験しに隣町の道場から挑戦しに来た奴だから、克也とは全然違う。」

それも尋ねると、司も比路も恭みたいな発言はせずに答えた。
この話を聞いていた朋也も、比路のその話を知っている為『なるほど・・・』っと静かに納得。

「だとしたら少しマズイんじゃないか?峰岸。」

「うん・・・。この授業終わったらどうしよう。早退してトンズラしたい気分。」

どうしようっと比路は悩まされながら、とりあえず藤堂先生による生物の授業が始まったので、いつものように受ける。
そして終わると「知り合いが騒ぎを起こしてすみません」と、藤堂先生へ頭を下げた。



再会した二人

けどそれは束の間の休息。嵐の前の静けさとでも言ってもいいだろう。
授業が終わって教室に戻ってくると、B組の前にはやっぱり恭が稚空と一緒に待ち伏せていたのだ。

「やっと見つけた峰岸比路。師匠が言ってた情報は正しかったんだな。」

「・・・本当に恭だった。」

「こんなにも手こずらせやがって。」

朝の騒ぎのせいで比路と編入生の恭のことを気になっているギャラリーが多く、二人が居合わせた途端に、ゾロゾロ増えていく。

「ここで会ったが100年目!長年に渡り積み重なった積年の恨み、果たさせてもらうぜ!」

「そんなに経ってないから。恭と会ってから、まだ一年も経ってないから。こんな所でバカ丸出したら僕も恥ずかしいんだから止めてよ。」

こうして比路vs恭が開幕される。

「いっくぜー!!」

「!」



一つ間違えるだけで怪しい発言に

その時、

「はいはいはい!ストップ、ストップ!そこまで!」

この騒ぎに一人の男性教員、本田先生が駆け付けて来て、二人の間を遮って止めに入る。

「澤村くん、めっ。乱闘騒ぎを起こさないよう、朝言われたばかりでしょう!?」

「朝?あー・・・確かに学園長や教頭、藤堂って奴にも何か言われたような気がするが、オレは乱闘騒ぎをしたいわけじゃない。この拳で峰岸比路とヤり合いたいだけだ。」

「それを乱闘騒ぎって言うんです。」

二時限目の授業がもう直ぐに始まる為、集まったギャラリーを自分らの教室に戻るよう強い声で説得して散らす。
しかし教歴二年目の彼は、こういう騒ぎには不慣れな模様で、明らかに慌てていて動揺を隠しきれていない。

「命拾いしたな峰岸比路。お前がここにいると知った以上、オレはいつだって・・・えーっとなんだっけ?ああ、思い出した。オレはいつだってお前のケツ狙ってるから、ちゃんと洗って待っとけよ。」

「首、首にして首に。そんなところ狙わなくていいから首にして。」

「はいはい。キョンも自分の教室に戻ろうね〜。」

「うがー!だから稚空、オレをキョンって呼ぶなー!」

でもおかげで騒ぎは直ぐに鎮まる。
稚空が恭の背中を押して一緒に帰って行ってくれたおかげで、大事に至らず済んだ。
そして比路は本田先生にも「知り合いが騒ぎ起こしてすみませんでした」と、また頭を下げる。



一つ確認したいこと

「あのさキョン、確認したいことがあるんだけどさ。」

「だからキョンって呼ぶな。」

自分たちの教室に戻った。いや、戻らせた稚空。
恭がやってきてから、ずっと気になっていたことを尋ねる。

「えーっと、ひろピーとは何?結局どんな関係なの?」

「約46億年前、地球と共に生まれた因縁の宿敵さ。師匠も言ってた、アイツには素質あるって。だからオレも忘れはしない、比路と初めてヤり合った日のことを。アイツがオレの心に火を灯したんだ。」

「・・・ハート的な感じで?」

「ハート?」

そして稚空も恭の話を聞いて何に結びつけたのか。
さらに気になっていたことを確かめる。

「キョンってホモじゃないよね?」

「何言ってんだ?人間は昔、ホモ・サピエンスだって習っただろ。あとキョンって呼ぶな。」



超ストレート発言

それから授業が終わって休憩時間になる度に、恭はB組の教室へ訪れた。

「峰岸比路!正々堂々、オレとヤり合え!」

「いちいちこっちの教室に来ないでくれない?」

「この野郎!あの日、オレに勝ったからってヤリ逃げするつもりか!そうはいかねえからな!」

「周りに迷惑かかってること、少しは考えてよ・・・。」

そんな彼を連れて帰る為に稚空も付き合い、一緒に来ていた。が、さっきのことが自分一人では解決出来なかった模様。
恭を知ってる司の元に来て、彼について知りたい情報を集める。

「ねえ、つかポン。キョンが言ってることって本当に深い意味なんてないんだよね?さっきからすごいワード発言しまくってるけど。」

「キョウの発言に深い意味なんて何一つもないから。あと、つかポンやめろ。」

「ひろピーも大変だなぁ・・・。周りに変な勘違いされてないといいけど。」

そしてそこで司と稚空の会話から、50歩100歩で腐った男子臭がオープンに漂い始めるのでした。

「は?二次元ならまだしも、三次元じゃあり得ないだろ?何それ気持ち悪い。」

「本当につかポンは三次元(リアル)BL駄目だね。二次元には二次元の、三次元には三次元の良さがあっていいのに。」

「だから、つかポンやめい。」



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