いつもの時間に予鈴が鳴った朝。
「おはようございます。」
「はい、おはよう。」
今日は編入生がくるおかげで、一年A組の空気は何だかソワソワしていた。 そしてクラス委員の圭が号令かけると、担任の藤堂先生がいつものようにホームルームを始める。
「それでは昨日伝えていたとおり、今日は編入生を紹介します。澤村くん中にどうぞ。」
すると指示どおりに、ガラッと自ら教室のドアを開けて、ズカズカと入ってきた編入生。 そのまま教卓の前まで来て何も語らず、左から右、右から左へと。ギロギロとした目で教室を見渡す。
「それでは澤村くん、自己紹介お願いします。」
「ーーー・・・っ。」
「澤村くん?」
その時、だった。
「峰岸比路、どこだーーー!!!」
っと。やってきた編入生は自分の名を言う前に、比路の名前を大きい声で呼び響かせ、騒ぎを大きくさせたのでした。
|