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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#30 風にそよぐ木々の緑(3/3)
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小町のご指導 2

「・・・僕のミルク、飲んでくれる?」

「ブッ!!」

「ブッ!!」

「ブッ!!」

比路が朝からとんでもない爆弾発言のせいで、見てた颯太。たまたまそれを聞いた周りの男子生徒数人。自分に言われた久野が真っ赤な顔をして盛大に吹いてしまう。

「だ、大丈夫か?颯太!」

「ゲホゲホ。だ、大丈夫。大丈夫じゃないけど大丈夫。大丈夫じゃないのは・・・っ、委員長。」

「何があったんだ?いったい。」



小町のご指導 3

「ーーーーッ!!」

行き過ぎた小町の悪ふざけに、もちろん大激怒した真っ赤な顔の久野。
バンッとテーブルを強く叩いてガタンッと立ち上がり、この怒りを露わにして彼の胸ぐらを両手で力任せに掴む。

「比路に何言わせてるんですか!豊先輩!!」

「何って礼儀正しく(?)おねだりさせただけでしょうが。かっつぁんも『よろこんだ』のなら上出来だろ。」

「悪ふざけも大概にして下さい!!」

「あーあーやぁね、汚くて。せっかく頑張って言ったことを、お多感にお盛んな方向へ卑猥に変換しちゃう思春期の男がこんなにもいたなんて。」

けど小町には反省の色どころか「は」の字もなかった。

「本当、男子ってサイテー。」

「豊先輩だけには言われたくないです。」



小町のご指導のせいで

小町のせいで久野と小町が騒がしい中、ポツンと一人置いてきぼりにさせられる比路。
なかなかこの牛乳が渡らないのが不満になったのか。

「克也、飲んでくれないの?僕のミルク。」

「ブッ!!」

「ブッ!!」

「ブッ!!」

とんでもない爆弾発言でさらなる追撃を。
また見てた人、聞いていた人、言われた人の顔を真っ赤にさせて壮大に吹かせた。

「ちょ、ちょっと・・・やめて。ストップ比路!」

「どうなの。飲むの?飲まないの?僕のミルク。」

「飲むから・・・(小声)やめて!それやめて!礼儀でも何でもないから言うのやめて!」

しかもまだまだ続こうとしていたので、久野が慌てて止めさせて、真っ赤な顔のままこの場で飲むことに。

「どうよ?かっつぁん、おねだりされて飲むミルクのお味は?」

「・・・豊先輩、サイテー。」

「峰ぎっちゃんグッジョブ!100点満点の合格をくれてやろう。」

もちろん『僕のミルク』って、比路が嫌う牛乳のことです。もちろん他に他意なんてありませんが、小町は悪ふざけもほどほどに。



ドキドキ真っ赤な颯太

「ご馳走様でした。」

そんな比路と久野と小町の三人の見ながら(巻き込まれながら?)、ようやく朝ごはんを済ませた颯太と瑛の二人。
食器返却口に使用した食器類を片付け、食堂を後にする。

「はぁー・・・。朝からやっぱりドキドキだった。」

「大丈夫か?颯太。顔真っ赤だぞ。」

「!?」

ほぼ比路。いや、ほぼ小町のせいでお顔が真っ赤になっていた颯太。

「キャーキャー!それだけは言わないで!ボク、そういう趣味はないのー!」

「は?何言ってんだ?」

それを瑛に指摘されると、キャーキャーッと口にしながら両手で覆って真っ赤な顔を隠す。
彼の趣味が何なのか分からない瑛は、チンプンカンプン。
とりあえず今はキャーキャーッうるさいので、彼なりに優しく放っておいた。



朝練に行く前に

朝ごはんを済ませたら学生寮を出る前に日暮寮長の所へ。
颯太も瑛も部活の練習で帰りが遅くなりそうなので、遅くなってもいいよう、予め届け出を提出した。

「毎度言ってるが学習時間が始まる夜8時が、第二次門限になってるから、それまでには絶対に帰ってくるように。食堂も大浴場も閉まるから、どっちもちゃんと済ませておけよ。」

「はい。」

「いつもありがとうございます日暮寮長。」

「だから様な、様。様つけて呼べって。」

これで18:20の門限時間には間に合わなくても大丈夫。
きちんと規則通りに決まりを、守っていれば処罰なんてされないので覚えて、清く正しく守りましょう。
そしてようやく学生寮を後にしようとした時、

「そういや今日だったな。古河のクラスに編入生来るの。」

「あぁ。昨日、藤堂先生がそんなようなこと言ってましたね。寮で全然見ないからすっかり忘れてた。」

「え?なになに?瑛くんも日暮寮長も何の話?」

日暮寮長が今日の予定を思い出したと共に、瑛もそのことを思いだす。
けど颯太は何の話なのか分からない。今ここで初めて聞いた。



編入生の噂

『ウチのクラス、A組に編入生が来るんだ。そっちのクラスでは何も聞いてないのか?』

『うん。昨日のホームルームでも本田先生、何も言ってなかったよ。来るんだ、こんな時期に。』

『な。変だよな、こんな微妙な時期に編入してくるなんて。』

新緑の季節のこの時期も来る編入生。
それを瑛から聞きながら校舎へ向かい、二人ともそれぞれの部活先に向かった。

(今日、編入生来るんだ・・・。どんな人だろう。)

颯太は野球部の更衣室でユニホームに着替えた後、グラウンドで走り込みながらも、そのことばかりを考えていた。
そのせいで緊張しているのか。あっという間にドキドキと鼓動が早くなっていく。

(こんな半端な時期に男子校に編入って、これが俗にいう・・・。)

そんな自分にハッと気づいた颯太。

「キャーキャーッ!違うの違う!だからボクはそういう趣味ないんだってばー!!」

また顔を真っ赤にさせてキャーキャーッと、逆上せた頭をゴンゴンゴンゴンガスガスガスガス壁に打ち続けて自虐しちゃうまで、自分で自分の趣味(?)を否定する。

「キャーキャーッ!違うんだってばー!!そんなんじゃないのー!!違うの違うのー!!」

「やめろー、颯太!そんなトレーニング、内容に入ってないだろ!!」



新たな騒ぎの始まり

そうして朝から行ってた部活の練習も終わり、みんな自分たちの教室に戻る。この頃には朝練がない組の生徒も学生寮から教室に来ており、一年生はAもBもCの噂の編入生のことで話題になっていた。

(もうあっちのクラスに編入生来てるのかな。どんな人なんだろう。)

するといつもどおりの時間に予鈴が鳴って、担任の先生が教室に見えると、いつもの朝のホームルームが始まった。
もうA組のクラスに編入生が見えて、恐らく紹介されてる頃だろう。

「ーーー・・・っ。」

その時、だった。

「峰岸 比路、どこだーーー!!!!!」

「!?」

「!?」

っと。とんでもない大きな声がA組からB、C組の教室まで、新たな騒ぎが響き渡ったのでした。



青ノ葉 第30話をお読みいただきありがとうございます!

新年一発目は颯太&瑛スタートっということで
明けましておめでとうございます
今年も青ノ葉をよろしくお願い致します

ようやく颯太と瑛を登場させられました
颯太にいたっては前からボチボチ出てましたが、
紹介のタイミングが合わず藤堂先生同様、
いつ出そうかいつ出そうかと伺っておりました
颯太にキャーキャー言わせるのが凄く楽しいです


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