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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#30 風にそよぐ木々の緑(1/3)
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新緑の節

桜の季節が終わり新緑の季節を迎えた頃、私立青ノ葉学園に入学した新入生の一年生も、青ノ葉の学校生活に慣れ始めてきた。
まだ中学生のあどけない部分が抜けてないが、少しずつ。少しずつだけど一歩一歩、成長を育ませている。
そして今日も一日が始まる朝、午前6時ジャスト。青ノ葉学生寮・422号室にて、目指し時計のアラームが鳴り響く。

「ん・・・、もう朝か。」

その音で目が覚める一人の少年。
部活動の朝練がある日はこの時間に起きるので初日より慣れてきたが、それでもちょっとまだ眠い。
けど起きないといかない。でもまだ眠い。
どうしよう・・・と。ウダウダウダウダ、ごろごろごろごろ。起きるか二度寝するかの天秤に揺られていると、

「瑛くん、起きた?」

自分よりも一足先に起きていたもう一人の少年、ルームメイトの彼の声で現実にガクンッと傾けられた。

「さっさと着替えて朝ごはん食べいくよ!」

「分かったから。起きるから、ちょっと待ってろ颯太。」

「早く早く!」

なので大人しく観念して、ゆっくりと体を起こす。



佐藤 颯太

そういうわけで青ノ葉学生寮・422号室を使う一年生の彼らをご紹介。

「おはよう、瑛くん!」

まず彼の名前は、佐藤 颯太(さとう そうた)。
一年B組、出席番号9番、八重歯がチャームポイントな野球部の少年。
小学校低学年の頃から少年野球チームに参加していて、ポジションはもちろんピッチャー。
身長165の小柄な投手で、利き手のサウスポーを武器に持ちマウンドに上がる。

「お腹空いたね。今日の朝ごはんは何かな〜何かな〜♪食堂のご飯は何かな〜♪」

颯太は寮生であるが、青ノ葉学園が建つこの街が地元なジモティっ子。
少しでも野球の練習に時間を回したいという理由で両親にもお願いして、自宅からではなくみんなと一緒に学生寮から通っているのだ。
そして以前からチョクチョクと脇の脇役その他として登場していた颯太だったが、ようやく色々が整ったので出せました。お待たせさせちゃったけど、これからよろしくね颯太。



古河 瑛

そしてそしてもう一人。同じ422号室を使う颯太とルームメイトの彼。

「なんだ、その即興曲?どっかで聴いたことあるフレーズだな。なんだっけ?」

彼の名前は古河 瑛(ふるかわ てる)。
一年A組、出席番号21番、少しだけ天パで猫みたいに癖っ毛のある頭をした陸上部所属の少年。

「って、ちょいちょいちょい。颯太、ちょっと待った。」

「うん?何、どうしたの?」

「何じゃねえって。何だよ、そのネクタイ。」

「何が?別に普通でしょ?」

「いやいや思いっきり曲がってて見っともないだろ。」

「瑛くん、おかんだな〜。ボクんちのカーチャンみたいなこと言う。」

「見っともないのが好きじゃないだけだ。ちょっと貸せ、直してやるから。」

身長は173cmで好きなことは肉と体を鍛えること。
日々のトレーニングを欠かせず熟しているため、鬼頭ほどではないが、モリモリとした筋肉をお持ち。
そして使っていた上の段のベッドから降り、颯太のネクタイを直してから、瑛も自分の身支度を整える。



運動部の二人

そうして瑛の支度もビシッと整い、颯太と二人で自分たちの部屋を後にする。
向かった場所は勿論、食堂。そこで自分らも朝ごはんを済ませることに。

「瑛くん陸上部の調子はどう?」

「鬼頭っていう先輩がバケモン。上には上がいたって思い知らされた。」

「瑛くんも短距離選手だもんね。」

今日の朝の献立は、パンにジャムかマーガリン。ミートボールにキャベーコーンソメスープに野菜サラダに牛乳。
本日はパンの日なのでお茶はセルフサービス。飲みたい子はお好きにどうぞ。

「そっちは?」

「こっちもぼちぼち。あ、でもボクのこと知ってる先輩がいてビックリしたな。昨日片付けしてる時、少年野球の試合で別チームにいてボクがいたチームと試合したことあるって言ってて。」

「ふーん、世界は案外狭いんだな。っと、あっちの窓側の左側スペース空いてるから、そっち行こうぜ。颯太は左に座れよ。」

「うん。ありがとう瑛くん。」

食堂のおばちゃんから受け取り、空いてる席に着いたら手を合わせて頂きます。

「瑛くんトマトいらない?」

「いらん。自分で食えって。残すとお母さんに怒られるじゃなかったのか?」

「大丈夫だよ。今日カーチャンいない日くさいから平気平気。」



学生寮にて

「ん?あれ?」

朝ごはんを食べていた時、ふと何かに気づく颯太。

「どうした?颯太。」

「あ、ううん。たいしたことじゃないんだけど、あそこに委員長がいたから。」

「委員長?」

別の席で自分らと同じメニューの朝ごはんを食べてる一人の生徒に気づく。

「あぁ・・・、そっちのクラスのちっこい奴か。」

「うん。峰岸委員長も、この時間に朝ごはん食べてたんだ?」

その生徒は颯太と同じB組のクラス委員イコール比路のこと。
彼の姿が見えていたので、気になった颯太はここから様子を見ていた。



話の種にして

「委員長、生徒会の久野先輩といるみたい。」

「ふーん。何、アイツ。将来、生徒会に入るつもりか?今のうちに頑張って媚び売って株上げ中?」

「違うと思うけど、どうなんだろうね。もう一人も一緒にいるみたいだけど誰だろう?先輩ぽいけど。」

そんな比路を見ながら話の話題にする颯太と瑛。

「どーでもいいがそっちの委員長、ちょっと問題起こしすぎ。もうちょいクラスの代表として自覚持った方がいいんじゃないか?」

「そういうこと言ったら峰岸委員長、可哀想だろ。そっちの相沢くんと違ってボクらのクラス、クジで決まっちゃったんだから。」

「せめて部屋にいるときぐらい、もう少し静かにしろっつーの。前よりはマシになったけど、まだ話し声がうるせーし。」

「でも楽しそうでいいじゃない。今度、森くんたちとあのゲームで遊ぶ約束だってしてるんだよ。瑛くんも一緒に遊ばない?」

「はあ?なんで俺まで。断る。」

瑛は比路に対してあまり良い印象を持ってないようで、愚痴愚痴文句を零して興味を示さない。
けど颯太は何か気になることがあるのか。比路たちがいる位置とそこまで離れていないので様子を見ながら聞き耳をたてる。



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