≪ top ≪ main


青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#3 はじまる寮生活(2/2)
]  [目次へ]  [

夕食の時間まで

こうして同中学出身の稚空が揃ったところで、再びゲームに戻る司と比路。

「やっぱり二人ともゲーム持ってきたんだ。オレも兄ちゃんから違反じゃないって後で知ったからな。・・・持ってこればよかった。」

「違反じゃないの?」

「何度注意しても持ってくる生徒が多かったから諦めたらしいよ?かと言って認めたわけでもないからグレーゾーン。学習時間とか校舎にまで持ち込んでやってたら流石に没収されるから気を付けてね。」

ワイヤレス通信し、プレイヤー同士で対戦できるアリーナへ。
互いの使用キャラを導かせる。

「てか、お兄さん青ノ葉にいるんだ?」

「いるよ。ここでも相変わらずのことしてるけどね。」



稚空は不戦勝

「んじゃ今回は一対一だから、シンプルでいっか。」

稚空はゲーム機を持ってきてないため、今回は不戦勝。
なので不公平にならないよう二人の対戦ルールは稚空が決めることに。

「回復や能力値変動系はアイテムのみ使用不可。んで対戦に敗れた者には究極な罰ゲーム。」

「勝者のいうことを30分間なんでもきく!だったよな。」
「勝者のいうことを30分間なんでもきく!だったよね。」

「ご名答♪それでいきやすか。」



司vs比路

比路は接近攻撃を得意とするハンマー使いのキャラを使用。
司はメインキャラではなく、サブキャラを使用。
遠距離攻撃を得意とする弓使いのアーチャ。

「あれ?司、サブでいいの?」

「ヒロ相手ならこいつで十分。」

「そんなこと言っちゃっていいの?」

「退屈だけはさせんなよ?」

「それならこっちも手加減しないからね。」

カーンっと鐘が鳴るSEと共に、二人の対戦が始まりを告げたのでした。



勝敗の行方

二人とも互いに遠慮に構いなし。
自分のキャラクターが持つスキルを多彩多様に発動し華麗に炸裂させる。
そしてその結果、

「は?ちょ!?あああああああ!!!!」

比路のゲーム画面には『YOU WIN!!』。
司のゲーム画面には『YOU LOSE・・・』。

「うっわー、ヒロに負けたー!!」

「うん。僕の勝ちだね。」

「めっちゃ油断したわ・・・。」

勝者は比路。敗者は司。
それぞれに勝敗結果が表示された。

「でも俺のメインには、まだまだ敵いそうにないな。」

「そんな負け惜しみどうでもいいから。」



敗者の司

「それより一階のロビーに自販機あったでしょ?喉渇いちゃったから、アッキーの分も含めて何か飲み物買ってきてよ。もちろんお代は司持ちで。」

「って、この俺をパシらせるつもりかよ!?」

「敗者は勝者の言うこと『なんでも』きくんでしょ?」

そういうわけで負けた司には罰ゲームを。
勝者、比路の言うことを、なんでもきかされる羽目に。

「ほら。早く行ってきて。」

「つかポンどんまい♪オレ、コーラね。」

「く・・・っそぉぉおおお!あとアッキー、つかポン呼ぶな!!」



究極な罰ゲーム

悔しさを胸に秘め、自販機まで突っ走った司。

「はぁはぁ・・・っ・・・二人とも、これでいいいだろ・・・ッ。」

「おー!つかポン速い速い。けどオレのコーラちゃん、あんまり振ってないだろうね?」

「んなこと知るか!・・・っ・・・噴いたらざまぁみろ。あとつかポン呼ぶなって。」

かかった時間は3分弱。
そこまで得意じゃないくせに全力疾走したせいで、苦しそうに呼吸を繰り返す。
稚空にはコーラを。比路にはミルクティーを。疲れた手で、それぞれに飲み物を渡す。

「・・・僕もアッキーと同じでよかったんだけど。」

けれど比路は、そんな司にも容赦なし。

「お疲れのところ悪いけど、今すぐ買い直してきて。」

「ハァ!?なんでだよ!それ飲めよ!!」

「あれ?負けたくせに文句あるの?」

ニッコリと悪い笑顔でご命令。逆らいは絶対に許さなかった。

「く・・・っそぉぉおおお!後で絶対覚えてろよヒロ!!」

「いってらっしゃーい。」



1分前でも容赦なし

夕食の時間を迎え寮の食堂に向かうと中は全生徒、全員大集合と思わせるほど大変賑やかになっていた。
そういうわけで三人も出来ていた行列に続いたのだが、

「司。それじゃあ僕の分もよろしくね。」

「はぁ!?」

比路一人だけそこに並ばず、司にご命令。

「敗者は勝者の言うことを?」

「なんでもきかせていただきます、この野郎。」

まだまだ続いていた罰ゲーム。
終了1分前でも構わず、悪い笑顔でサラリと司の逆らいを許さない。

「えげつないね、ひろピー。」

「席はとっといてあげるからよろしく〜。アッキーはひろピーやめてね。」

「オレは敗者じゃないからききまっせーん。」

屈従せざるおえないこの状況。
敗者の司は、ぐぬぬと最後まで耐えて耐えて耐え抜いて、仕返しの決意を心に誓う。

「絶対、後で覚えてろよ・・・。」



迎えた夜

夕ご飯を食べた三人は自分たちが使った食器類を、返却口に片してから食堂を後にした。
そして自分たちの部屋へと戻る途中の道で、窓から外を見て足を止める比路。

「・・・ぁ。」

さっきまでオレンジ色だった空が、もう真っ暗に染まり、すっかり夜を迎えていた。

「そっか・・・。もう夜、なんだね。」

呟いた独り言の言葉。
慣れてない環境から見上げると、いつもの夜空と違うように見えるのはなぜだろう?

「ヒロどうした?おいてくぞ〜?」

「・・・!」

司に呼ばれてハッと我に返り、

「待って待って。今すぐ行くから待って。」

「待っててやるから早く来い?」

呑まれかけた不思議な感情を追い払ったのでした。



青ノ葉 第三話をお読みいただきありがとうございます!

稚空は姉ちゃんの影響で
司は稚空の影響で腐りました
比路は司との縁で既に腐ってるので、
それ以上、腐らせないようにしております(笑)

司vs比路の対戦シーン
あまり長くなるのもアレだと思い、
思いっきりぶった切ったわけですが・・・
次は、もう少しだけ中身を挑戦してみたい


]  [目次へ]  [
しおりを挟む




BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×