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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#28 それぞれの入部先(後編)(2/4)
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黒崎 真央

そんな文芸部にやってくる一人の生徒。

「おはようございます。」

「え、黒崎先輩!?」

彼の名前は黒崎 真央(くろさき まお)。
身長は172cm。三年生で文芸部の部員。
真っ黒な髪に太めの黒縁眼鏡で名前に黒があるとおり、黒色が似合って好む地味な外見の男の子。

「今日はどうしたんですか?珍しい。」

「借りてた本を返しに来ただけだよ。」

「え。また!?」

「うん、また。好きな作品は何回読んでも飽きがこないよね。」



黒崎先輩

「稚空くん、えっと・・・?」

稚空は部活入部初日の時に黒崎と会っており、お互い部員として名前を交わしてるようだが、そんな黒崎を初めて見る梅ちゃん。

「梅ちゃん紹介するね。彼は三年生の黒崎 真央先輩。ほらこの間、つかポンたちといるときにも話したけど図書室の本を全部読みきった三年の先輩いるっていったでしょ?それがこの黒崎先輩。」

「やだなぁ稚空君、そんな大袈裟に言わないで。僕が読んでるのは小説だけだよ。さすがに図鑑とか地図とか歴史の本までは読まないから全部じゃないよ。」

「いや、全部読みきってますよね。小説は全部読みきったのにまた借りにきてますよね。」

なので梅ちゃんには黒崎を。
黒崎には梅ちゃんを。
せっかくの機会だったので稚空はそんな二人にお互いを紹介。

「この間、遅れて入部してきた一年生って梅谷君のことだったんだね。」

「はい。何かとボク自身の不調でご迷惑お掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします黒崎先輩。」

「うん。こちらこそよろしく。」



せっかくなので

そんな黒崎先輩とようやく知り合えた梅ちゃん。
この機会にさっきの稚空同様、今度は黒崎のオススメを訊く。

「オススメ?なんでもいいの?」

「はい。ボクあまり詳しくないので、ぜひ黒崎先輩のオススメ教えて欲しいです。」

「僕、ファンタジーとか冒険系が好きなんだよね。もちろんそれ以外も好きだしオススメするし、梅谷君がタイトルに惹かれて直感で選んだ作品もオススメするよ。」

面白い面白くないは後の感想だから人それぞれ。作品一つにその人にしか描けない世界や物語があって、それに魅了されればされるほど自分もその世界の一員になったかのように、いろんな異次元含めてそこにしかない世界に旅立てるんだ。それだけでも何だかすごく得した気分。これだから小説を読むのを止められないのだと。
そう長々くグドグド語りに語る黒崎。

「・・・黒崎先輩って本当に本が大好きなんですね。」

「ううん。僕が好きなのは小説だけだよ。」

そのあまりの長さに梅ちゃんは圧倒されたようだ。
藤堂先生は生物への愛が変態並みにすごいが、黒崎も黒崎で似たり寄ったりの変態愛を感じる。



弟の趣味

そんな中、

「それはそうと稚空君は何か書いてないの?」

今度は黒崎から稚空へ。

「だってアキ君がー・・・っと。稚空君のお兄さんは料理にしろ裁縫にしろ、自分の手で何かを作り上げるのが好きじゃない。だから稚空君もそうなのかなって思って。」

明人が自分で物を作る人だから、弟の稚空も何か自分で小説とか書いてないか問う。

「確かに兄ちゃんもそうだし姉ちゃんもそうだけど、オレは読み専だったからな〜。」

「題材とかあったりしない?実体験したこととか趣味全開の物語とか。せっかく文芸部に入ったんだから何か挑戦してみてほしいよ。稚空君が書く作品、読んで見たいし。」

すると、

「それってホモでもいいの?」

「え。」

「趣味全開って言われて今、そういうのしか浮かばなかった。青ノ葉ならたくさん『題材』ありそうですよね。」

包み隠さず自分の趣味をオープンに語る稚空。
司と50歩100歩で比べさせたら100歩側になる稚空の腐った趣味は、パンピーな二人の前でも恐れなし怖いものなしだった。

「そうくるって思わなかったな、僕・・・。さすがアキ君の弟って感じで、自分の好きなことに凄く正直だね。」



稚空の趣味

そんな稚空の趣味を止められるのは今。

「黒崎先輩が読んでくれるって言うなら、オレやってみますよ。」

「も・・・、モザイクな展開はやめてね。」

「そうですよね。さすがに話を書くだけの目的で『モザイク展開』を『実体験』するわけにはいきませんし。・・・あ。でもさせたり、ヤらせたりするのはアリか。」

「ナシだよ!ナシ!絶対ダメだからね!?そういうの持ってきたら僕読まないから。」

けど黒崎が中途半端に止めたり止めなかったりするものだから、完全に考えさせてしまう。
果たして稚空は、どんな物語を手掛けてくるのだろうか。

「それより黒崎先輩。いつも放課後に街の図書館まで行ってたら門限ギリギリになりません?」

「そんなことないよ。君たち寮生とは違って、僕は下宿生だもん。時間に制限ないから平気。」



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