昼休み。昼食の寮弁を食べ終われば、午後の授業が始まるまでは自由時間。賑やかな校内が外までもっとガヤガヤして、みんな好き勝手で思い思いにこの時間を過ごす。 そしてB組の教室に稚空の姿があり、隣のA組から遊びに来ていた。
「あ、いいな〜。こっちのクラス、午後一発目から生物じゃん。」
「うん、そうだよ。藤堂先生って面白い人だよね。」
「めっちゃくちゃ面白いよ。帰りのホームルーム、必ず生物のロマンを語ってくるからホント好き。生物一筋すぎるよ、あの人。」
話題は今日これからの授業のこと。
「稚空くんは次の授業なんですか?」
「本田先生の国語だよー。あの人、声も優しいから朗読されると眠くなってちょっとキツイ。」
「わかる〜。心地いいんだけど午後一発目は確かにキツイな。寝る前に絵本読んでくれてるみたいで。」
そんなにお互いにしてお互いの担任を褒めまくる噂話をしていたものだから、されていた本人らは「はっくしゅん!」っと。思わずくしゃみをしてしまう。
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