比路、久野、鬼頭の三人の元にやってきて、鬼頭の隣ではなく久野の隣に座り、わざわざ距離を詰めてくる。 今時の子らしく少し伸ばした後ろ髪をお洒落に結っており、指定のネクタイは付けず制服のシャツを第二まで開けて何をアピールしてるのか。
「えっと一応、紹介するね。三年生の小町 豊(こまち ゆたか)先輩。昨日会ったばかりだから、もう初めましてじゃないけど。」
彼の名は小町 豊。 身長は179cmで三年生の男子生徒。 こんな身形だけど実家は呉服店を営んでおり、柔道部の部長だけあって体型も相応にしっかりとしている。 比路とは昨日入部届けを出した時に顔合わせしたからもう初対面ではないが、こうして改めて言葉を交わすのは今日が初めて。
「今日は槍でも降ってくるのかね〜?」
「だから人のこと、そんなに珍しがるのやめにしませんか?あと狭いので、もうちょっとそっち行ってください。」
「いいじゃ〜ん別に。オレとかっつぁんの仲なんだから、もうちょい親睦深めようぜ。」
「朝っぱらから変なふうにふざけるのも止めませんか。」
久野と同じ部活の部員だけあって、仲は悪くないようだが、どちらかと言えば小町が必要以上に久野に構ってるようにも見える。
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