休日が明けて月曜日が終わり、日付も変わって火曜日が始まった今日。 カチ、カチと刻々と進む時計が午前6時を迎えると、朝から部活動に参加する朝練組の生徒が起き出してきた。
「おはようございます蓮さん。」
「おう。相変わらず早ぇな。」
そして今日もいの一番に姿を現した久野。 食堂でホットコーヒー飲みながら新聞紙を読んでた日暮寮長に挨拶を交わす。 ここまでは普段どおり。いつも通りの彼だったが、そこからはいつもと変わっていた。
「ん?克也、メシは?取って来なくていいのか。」
「あ、いえ・・・。今日はもう少し後にしようかと。」
一番乗りで来たのだから一番乗りで朝ごはんを食べるのに、今日は受け取りにも行かずそのままおとなしく席に着く。 そんな彼が珍し過ぎたのか。
「ん!?どうした、具合でも悪くしたか?」
「違います違います。俺は何も悪くありません!いたって元気です!」
日暮寮長に心配された始末だったが、特に問題はない様子。
「ただ知り合いを待っていたいだけですので。」
「びっくりさせんなよ。まあクソ真面目な克也でも、そういうときあるか。けどこんな朝っぱらから待ち合わすとか本当に珍しいもんだな。」
「いえ。俺が勝手に待ってるなので、気にしないでいただけると・・・。あとクソ真面目は余計です。」
いつも通りの行動をズラしてまで、久野はそこで誰かを待っているようだった。
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