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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#25  一緒に遊ぼう!(1/4)
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課させられた罰当番

朋也たちのあの騒動がおさまって初めて迎えた休日。
あの日、門限過ぎてるのに寮を抜け出した罰として『一週間、トイレ掃除の刑』を課させられた比路は、自分の部屋の掃除が終わった後、今日も学生寮・一年生の階のトイレ清掃をしていた。

「ふぅ・・・。これでおしまいっと。」

そんな日が平日合わせて連続で続けば日課の過程に変わっていく。
それは初日よりも手つき、順序は良くなり慣れてきたようだが、やはりトイレ掃除というのは気分が上がらない。遣る瀬無い気持ちになって思わず疲れた息が出てしまう。

「ヒロー!罰当番お疲れ。もう便所掃除終わった?」

そんな比路を、冷やかしにきたのか迎えに来たのか何なのか。
お掃除開始後、ほどよい時間に頃合いを読んだ司が男子トイレにやってくる。

「とりあえず終わったけど、あんまり大きい声で言わないでよ。」

「いいじゃん別に。どうせならそのままトイレ掃除マスターになっちゃえば?」

「ヤだよ、そんなの。」



彼も罰当番

「さっきアッキーとも話したんだけど。今日これからヒロも一緒にゲーセン行かない?」

比路がトイレを掃除していた最中。司は稚空と今日の予定を話し合った結果、今日はゲームセンターに行くことにしたようだ。

「ほら、前行ったとこの。アッキーまだ行ったことないから行きたいって話になって。」

「うん、いいよ。どうせ午後もやること無くて暇だったし。」

「お。よかったー・・・ってことだから。」

その話をしてお誘いすると、二つ返事で了承した比路。コクリと頷いて彼も司たちと一緒にお出かけすることにしたようだ。

「朋也も一緒に行こ?」
「朋也も一緒に行かない?」

「!?」

比路と同じ罰当番、トイレ掃除をしていた朋也をダブルで巻き込んで。



新たな悩み

門限時間に帰ってこなかった罰として、朋也も比路と同じ処罰が課させられたのだ。
男子トイレにやってきた司と一緒に掃除してた比路の二人から、突然そんな風に誘われて戸惑う。

「あれ?ダメ?朋也、何か用事ある?」

「いや。・・・ないけど。」

「じゃあ朋也もゲーセン行こうよ。」

「いや。・・・けど。」

あの騒動後。司たちと前より話す数が増えたが、増えたことによって生まれた新しい悩み。

「またアイツら後藤に構ってるよ。」

「好きだね〜。」

自分と関わることによって、周りからこっちに向かってヒソヒソされる声がどうも気になって心が構い始める。
それが自分だけなら、まだ平気な方だったのに・・・。

「・・・・・・・・・。」



イエスかノーか

「も〜、なんだよ朋也。『けど、けど』うるさいな。」

「え?あ、いや・・・。ごめん。」

すると司が周りから聞こえてきた声を遮るように、ずいっと前に出てきて、

「面倒臭いからイエスかノー。どっちかで答えて。」

と、朋也の選択肢をその二つに減らす。
続けて言いたかったことを封じられて絞られた以上、大人しく従う朋也。

「ノー・・・「てか朋也も来てよ。俺たち三人だけじゃつまんないし。よし、じゃあ決定!さっさと支度してゲーセン行くよ!」

「・・・え?」

が、遮ってきた司に遮られ、結局一緒に行くハメにあうのでした。



玄関ロビーにて

「ってことで外出届けの受理お願いします、日暮寮長!」

「だから森、様な様。ちゃんと様付けて呼べって。」

比路と朋也の罰掃除も終わり、学生寮・玄関ロビーにて集まる司、比路、朋也の三人。
寮の規則通りに外出届けを書いて日暮寮長に提出。

「あれ?司、アッキーは?」

「ヒロたちを誘いに行く前に明人兄に呼ばれて行っちゃったけど、そろそろ来ると思うよ。」

「梅ちゃんも一緒に誘いたかったね。」

「病院行く為に帰っちゃったんだから仕方ないよ。今日の夕方には帰ってくるんだし、その時また一緒に遊べばいいさ。」

あとは稚空が来るのを待つだけ。

「どうでもいいが森。 ちゃんと設けてやってんだから騒がしくなるようだったら遊戯室でやれよ。次、改善なかったら強制的にゲーム機持って帰らせるからな。」

「は、はーい。気をつけます日暮寮長。」



いってらっしゃい

「あ!きたきた。アッキーこっち〜!」

それから数分も経たずして、明人との用事を済ませた稚空が三人の元へやってくる。

「お待たせー!もうみんな揃ってたんだ。」

「遅いよアッキー!」

「ごめんごめん。兄ちゃんの頼まれごとすぐ終わると思ったら予想以上に時間食っちゃって。」

ようやく四人が揃い、これにて今回のメンバー全員集合。
そして稚空も外出届けを自分で書いて、日暮寮長に提出。
これで準備、支度はOK。
だが寮でレンタルしてる自転車が既に借りられていたため、今日もバスで街の方まで向かうことにした。

「ちゃんと門限までには帰って来いよ。特に峰岸と後藤、またやったら罰当番増やすからな。」

「き、気をつけて行ってきます・・・。」

日暮寮長に見送られながら。



彼らも罰当番中

ちなみにあの騒動を起こした犬飼たちにも、下級生暴行と園芸部を荒らした罰として当然、処罰がくらっていた。
特に犬飼・矢口あたりの主犯格は停学になりかけた。けど職員会議にたまたま参加した日暮寮長が取り下げを案じ、代わりに寮長の元で強制労働を二週間処すこととなったのだ。
ちなみに本日、朝から行っているのは「毛虫・芋虫とり」。
桜の季節が終わったこの時期、校舎と学生寮を繋ぐ一本道の桜並木に虫たちがどうしてもわいてしまうので、その問題を寮長の命れ・・・指示により解決させる内容となっている。

「おーいお前らちょっとは進んだがー?反省なら猿でも出来んだから、サボらずとっととやっちまえよ〜。」

「うるせぇークソ寮長!これなら素直に停学されてた方がマシだー!てかこんだけいるなら農薬とかで駆除しろよ!」

「おいおい。芋虫達だって必死に生きてんだから、んなこと言うな。つべこべ文句言ってないで、さっさと奥地に運んで逃してこい。」

犬飼たちもグチグチ文句をかましているが、これは元は生徒会がやる予定だった仕事。生徒会イコール永瀬。彼のギャン泣きが悍ましくて、下手に逆らうことは出来ず大人しく処された罰に従い奉仕に励む。
あの日を境に「永瀬 めぐる」にも逆らうなという決まりが、彼らの中に新しく刻まれたのだろう。



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