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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#23 青ノ葉 月下光(4)(4/4)
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朋也の日常

柄が悪そうな見た目で生まれながら強面な顔つきのせいで昔から絡まれやすい朋也だった。
そんな見た目でいじめられることはなかったが、ひとりが当たり前だった朋也。
助けなんて当然求められる訳がなく、ひとりで解決するには食ってかかるしか方法がなかった。
そんな日が年を重ねても続いて、続く度に増していき、その分が朋也を強くさせて喧嘩で負けることはなくなった。
それが自分にとっての当たり前。
朋也にとっての日常茶飯事。
ずっとひとりで、ずっとこの拳で自分を守るのが当たり前だった。



朋也の日常 2

大切なのは慣れ。
当たり前の日常なんだから避けられることなんて出来る訳がない。
だから喧嘩を売られれば、自分を守るために買って返り討ち。
それも慣れてしまえば日常へと化する。
自分の中で当たり前になっていけば何も問題ない。
そう自分に言い聞かせて、空っぽのようで空っぽじゃない気持ちを抑え込んだ。
その気持ちを言葉にして口にしたら、自分が自分でいられなくなる。絡んでくるアイツらに食ってかかることも出来なくなる。自分を空っぽにしない為にも。
慣れれば大丈夫。慣れたから大丈夫ってー・・・。

「でもずっとそれは心が痛いままだと思うよ。」



もう一つの選択肢

「・・・・・・・・・。」

克也の問いに答えられなかった朋也。

「いつか何処かで途切れさせないと、ずっと変わらない。買わない選択だって必要だし、断る選択肢だってあったっていいんだよ?」

「・・・・・・・・・。」

「それにー・・・。」

そんな朋也に返ってきた言葉。
この人は全てを知ってる訳じゃないのに、自分の日常に対して全てのことを言われてるようだった。

「友達にまで心配かけちゃ駄目だよ。」



友達

そしてその最後に克也が言ったその台詞。
ずっとひとりだった朋也には、まさに「え。」って返すしかない言葉。

「えって、あれ?比路の友達じゃないの?違ってた?」

「違うくない!朋也は友達だよ。」

「ああ、だよね。よかった。違ってたら俺、今すごく恥ずかしいことになってたから。」

けど比路は自分の友達だと、改めて久野に紹介した。
朋也が何も言い返さないことを良いことに。

「ならなおのこと。門限過ぎても帰ってこない後藤を迎えに、寮を抜け出してまで探しに来てくれた友達に免じて。これからは売られた喧嘩を易々買わないように。約束、出来る?」

「・・・はい。」

朋也と久野で交わされた約束。

「でも会長の大事な植木鉢、守ってくれてありがとう。君が守ってくれたおかげでアイツらに壊されずに済んだから。本当にありがとう。」

「いえ、こちらこそ・・・。騒ぎを起こして本当にすみませんでした。」

でもずっとひとりだった朋也にとって、それは新しい幕開けとなるのだろうか。
なってもならなくても、それはまだこれから。先のお話。



寮即違反者への罰

「っと言うわけで・・・、おほんッ。」

ここらで一先ず朋也へのお説教も終わったようだ。

「401号室 後藤朋也、423号室 峰岸 比路の両名。寮即違反につき寮に戻ったら、さっそく反省文を書いてもらうからよろしく。」

「反省文!?」

それと共に久野は生徒会としてしっかりと任務を果たすかのように執行。
理由はともあれ。寮即違反した比路と朋也の二人に対して罰を下した。

「克也待って。僕らいちお被害者だよ。」

「うん。でもそれはそれ、これはこれ。騒動の中心にいたんだし、寮即違反してることにも変わりはない。二度と同じ事起こさない為にも、しっかり反省してもらわないと。」

もちろん納得出来なかった二人。
比路は言葉で、朋也は表情で。
それぞれ意義を申したが、

「文句あるならプラス50枚に増やすけどいい?」

「・・・しっかり反省しよっか、朋也。」

「あ、あぁ。」

無駄だった。
久野は二人の意義を受け入れることなく、三人で一緒に寮へと戻ったって言うより、寮即違反をした二人を反省させるため寮に連行されていったのでした。
ちなみに犬飼たちは園芸部壊した罰として、反省文は余裕で100枚超えたそうだ。



青ノ葉 第23話をお読みいただきありがとうございます

朋也エピソード、今度こそ次回でおしまいです
書き慣れてない展開に詰まりながらも
なんとかここまで書けました
次回は朋也エピソードのエピローグ
青ノ葉自体の物語は、まだまだ続きます
・・・てか、そろそろ4月終わらせたい
クロカルに時期が追いつかれる(汗)


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