そしてその最後に克也が言ったその台詞。 ずっとひとりだった朋也には、まさに「え。」って返すしかない言葉。
「えって、あれ?比路の友達じゃないの?違ってた?」
「違うくない!朋也は友達だよ。」
「ああ、だよね。よかった。違ってたら俺、今すごく恥ずかしいことになってたから。」
けど比路は自分の友達だと、改めて久野に紹介した。 朋也が何も言い返さないことを良いことに。
「ならなおのこと。門限過ぎても帰ってこない後藤を迎えに、寮を抜け出してまで探しに来てくれた友達に免じて。これからは売られた喧嘩を易々買わないように。約束、出来る?」
「・・・はい。」
朋也と久野で交わされた約束。
「でも会長の大事な植木鉢、守ってくれてありがとう。君が守ってくれたおかげでアイツらに壊されずに済んだから。本当にありがとう。」
「いえ、こちらこそ・・・。騒ぎを起こして本当にすみませんでした。」
でもずっとひとりだった朋也にとって、それは新しい幕開けとなるのだろうか。 なってもならなくても、それはまだこれから。先のお話。
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