「冴。生徒会にも敵わなかった以上、ここらで引き上げろ。これ以上は見っともなくなるだけだ。」
「純、平?」
比路の短くて長かった説教がやっと終えたのか。 犬飼に寄ってきた矢口が、そう言葉をかける。
「悪いけど冴。俺、先に寮帰るな・・・。」
「純平!?ちょ、まッ!?どうした?お前!?」
矢口は相棒のナイフが蹴り折られたことが相当のショックだったのか。 表情も暗く、口調も暗く、何もかもが暗く落ち込んでおり、トボトボとした歩きで寮に帰っていく。 そんば矢口に見兼ねた犬飼は慌てて彼に駆け寄り、
「くそ・・・!お前ら覚えてろよー!次はただじゃおかねえからな!!」
と。まるで悪役のようにお約束な台詞を吐き捨て、二人揃って寮に戻っていった。
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