「くっそ・・・!どこ行ったアイツら!!」
学生寮の門限時刻が過ぎ、月明かりに照らされる夜の時間帯。 繋ぐ手をしっかり握って追ってから逃げていた二人。 複数いる不良生徒から目に付きにくそうな木々に身を潜め隠れる。
「アイツらについていけばって思って来たら案の定だったけど、よかった。朋也見つけられて。心配したんだ・・・ゲホゲホッ。」
「大丈夫か?峰岸。」
「・・・平気だよ、これぐらい。よかった、まだご飯食べてなくて。」
けどこのままでは学生寮へ戻ることは出来ない。 朋也は繋いでいた手を離し、比路だけでも逃がそうとする。
「後は俺が奴らを引き付ける。だから峰岸はその隙にここから逃げてくれ。」
「朋也・・・?」
だから彼に言ってやった。
「ごめん。それは出来ないよ。」
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