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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#22 青ノ葉 月下光(3)(2/4)
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圭の用事

「え?だれ?」

「ほら、アッキーのクラスの委員長。司も入学式の日、見てたでしょ?」

「あぁー・・・。」

「どうしたの?圭。」

比路に用事でやってきた圭。

「・・・・・・・・・・・・。」

けど何も語らず、比路と司の二人の間から部屋の奥を覗くような素振りを見せる。
そしてやっと口を開かせたかと思ったら、

「いないか・・・。」

と、自己解決してしまう。

「「なにが???」」



圭の用事 2

「誰か探してるの?」

圭は比路自身に用があったわけではないようだ。
そんな彼の様子を見て気になった二人は、さらに問う。
すると、

「まあ、そんなところ。」

今度は頷き、そう素直に答えてくれた。

「誰を探してるの?」

「ルームメイトが峰岸くんと同じクラスだったから、もしかしたらと思ったんだが・・・。」

「圭のルームメイトって誰?僕、知ってる人かな?」

そして圭が探してる人物。
それはー・・・、

「後藤 朋也。」

自分とルームメイトの朋也のことだった。



圭のルームメイト

「恐らく顔ぐらいは見覚えあると思う。特徴はー・・・。」

「知ってるどころか覚えありまくり。名前聞いてすぐ分かったから大丈夫だよ。」

「よかった。知ってくれていて。」

朋也を探していた圭。
朋也は比路と同じクラスで、比路がそのクラスの委員長だから、もしかしたら何か用事でここにいるんじゃないかと。この部屋に訪ねた訳を話す。

「でもごめん。朋也こっちには来てないよ。」

「・・・そう。」

それと同時に、

「実は後藤がまだ帰ってきてなくて。」

「え!?」

朋也が寮にまだ帰ってきてないことを知る。



分からない朋也の行方

「待って待って!え?え!?どういうこと?だって門限とっくに過ぎてるんだよ!?」

寮の門限時間は過ぎているのに、朋也が帰ってこない。
圭からのその話を聞いて、それがただごとではないことに驚く。

「だから気になって心当たりないかと思ったのだが。」

司も比路も梅ちゃんも朋也と同じB組のクラス。
けれど朋也の行方なんて心当たりがない。
今、朋也がどこにいるかなんて分からない。

「なんか前にも似たようなことなかった?」

「その時はチロ先生が昇降口で後藤くん探してましたよね。」

けど知った以上は、彼らも心配に思う。

「中学でも上級生に絡まれやすい奴だったから。また妙なことを起こしてないといいんだけど。」

「・・・・・・・・・。」



知ってる人物

そんな四人の話をどこから聞いていたのだろう。

「話聞こえてたけど、後藤くんって後藤 朋也くんだよね?おっかない感じの男の子。まだ帰ってきてなかったんだ。」

明人がかりていた稚空と一緒に戻ってきて、彼らの話に加わる。

「明人兄、朋也知ってるの!?」

「うん。今日めぐに連れられて家庭科室に来てたから。最初ビックリしたけど、そこでいろいろ助けてもらって。」

そして行方の分からない朋也を知っていた人物でもあった。

「ねえ?そのあと朋也がどこ行ったか知らない?」

「園芸部の片付け残ってるって言ってたから園芸部の部活場所に向かったと思う。でもその後までは分からないや。」



探し行く前に

家庭科室から園芸部に向かったまま、まだ寮に帰ってきていない。
明人の情報により繋がった朋也の手がかり。

「僕、ちょっと行ってくるよ。園芸部って場所どこだっけ?」

それを頼りに比路が朋也を探しに行こうと、出かける準備をし始める。

「校舎の渡り廊下を通った先だよ。園芸部にはビニールハウスがあるから、それを目印にするといいよ。」

「ありがとう明人兄。」

「でも待って。門限過ぎてるのに寮から出たら寮則違反になるよ。」

「・・・あ。」

けど今は門限がとっくの昔に過ぎた時間帯。
そんな時間に寮から出ることなんて出来ないし、出れたとしても寮則違反となりまた怒られてしまう。



それでも

「それでも行ってくるよ。」

その恐れに戸惑ったのは一瞬だけ。

「帰ってきたら朋也と一緒に寮長に怒られてくる。」

行くと言ったら行く。
比路の意思はそんなことで簡単に折れなかった。

「ヒロだけで平気?俺も行こうか?」

「とりあえず僕だけで大丈夫。前にも似たようなことあったんだから一人で平気だよ。」

「・・・そっか。なら俺のケータイ持ってって。比路が行った後に朋也が帰ってきてすれ違っても大丈夫なように。」

「ありがとう司。じゃあちょっと行ってくるね。」

幸いにも寮の玄関には日暮寮長の姿は見えないが門限時刻が過ぎているので念のため用心して。玄関からではなく食堂の裏口から外へ出た。
そして月が明かりを照らす夜、桜の花が散って舞う並木道を通って校舎に向かったのでした。



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