永瀬がいなくなり急に静かになった室内。 残った二人で使用した食器類を片付ける音がカチャカチャ大きく響く。
「鈴木先輩、今日はありがとうございました。そしてご馳走様、です。」
「こちらこそ片付けまで手伝ってくれてありがとう。ここはもう大丈夫だから、後藤くんもそろそろ寮に帰りなよ。」
「いえ。まだあっち(園芸部)の片付けも残っているので。」
「あ、そうだったんだ。でももうじき門限だから早めに帰るんだよ。」
そして一通り片付けが終わると、朋也も園芸部の部活場所へ戻って行った。
「後藤くん。よかったらまたいつでも遊びに来ていいからね。めぐいなくて一人の時でも歓迎するから。」
「・・・はい。ありがとうございます。」
家庭科室にまだ一人残った明人に見送られながら。
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