この一連を複数の生徒が見ており、聞こえていた音に怯えていた。 そしてこの男も見ていた複数の生徒のうちの一人だったようだ。
「だ、大丈夫か?すごい音聞こえたが・・・。」
「と、朋也・・・?」
その男子生徒というのは司や比路たちのクラスメイトの朋也。 比路がいなくなった隙をつき、一番奥の個室へとやってきた。
「!」
そんな彼を見た瞬間に萎縮した稚空。 驚いた声を口に出して言わなかったが、無意識に司を盾にして身を構える。
「峰岸を怒らせたのか?」
「うーん。怒らせたというか、勝手に怒ってきたというか、見るなって言ったのに見たから自業自得だったのに当たってきたというか、なんて言えばいいのか。」
「大丈夫なのか、それ。」
「あははははー。まあ、慣れてるから大丈夫だよ。」
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