朋也を連れた比路は昇降口で待っていたチロ先生の元へようやく戻ってきた。 かかった時間は長かったような短かったような不思議な印象を残させる。
「あらあら。それで後藤くんも峰岸くんもシロに引っ掻かれてしまったんですね。」
そしてついさっきあった出来事を話すと二人はそのまま保健室へ連れて行かれ、チロ先生から手当てを受けた。
「シロって、あのデブ猫のことですか?」
「えぇ。でも峰岸くん。シロのことはふくよか。ふくよかって言ってあげて下さい。シロは特に気難しい性格なので。」
「ふくよか・・・。」
比路はまだシロに引っ掻かれたことを根に持っていたのか。
「言い方変えてるだけで結局、太ってることには変わりないんですね。」
「峰岸・・・。」
自身の体型をのことは棚に上げて、シロに対して容赦ない言葉を吐き捨てる。 ・・・お口の悪い子でごめんなさい。
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