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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#15 クラス委員初仕事(2/3)
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生徒会会議

各代表がそれぞれの指定場所に着席すると、その後すぐに生徒会執行委員の生徒数人と、各学年の学年主任や生徒指導の先生の姿もこの教室に集結。
生徒会執行委員は生徒会長一人、副会長一人、書記二人、会計二人の計六人メンバー。

「はぁーいっ!それじゃあ『こんねんどだいいっかいめのせいとかいかいぎ』はじめまぁーすっ!」

こうして生徒会長、永瀬の一声で生徒会会議が始まり始まり。
今回は今年度初の議会でもあるため一年で行われる行事を一通り簡単に報告したあと、今度は一学期内に行われる行事説明がメインだった。
もちろんその報告役を任されたのは永瀬ではなく、

「それからー・・・で、ー・・・だから。ー・・・っとなって。」

生徒会副会長の久野。
生徒会メンバーの中で一人だけ二年生というのに、それをもろともせずに完璧にこなす模範的な姿は流石と言えるほどで、安心と信頼の印象を相手に与える。

「どうかした?峰岸くん。」

「・・・なんでもない。」

一人だけ除いて。



目と目があった瞬間

久野が生徒会に属する生徒だということを以前、本人から教えてもらっていた比路。それを思い出したのはいいが妙な気持ちを心に宿す。

(克也、副会長だったんだ・・・。)

小・中と通っていた学校は違うが、同じ道場に通っていた元・道場仲間。幼い頃から克也を知っているが会ってなかった一年でこの成長ぶりに戸惑いを隠せない。

「それで一年生はー・・・。」

そして久野がこっちを見た途端、

(あ・・・。)

「・・・・・・。」

比路とバッチリ視線がぶつかる。
すると、

「それで一年生は最低でも今月末までには入部する部活動をー・・・。」

気付いた久野はニッコリと笑顔を見せてアイコンタクト。
それからもずっとニコニコと上機嫌で、より説明に気合を入れたのでした。

「どうかした?峰岸くん。」

「・・・な、なんでもない。」



生徒会会議 第一回目終了

「最後になりますが風紀を乱す生徒が二年で多く見えるようになりました。先生方にはもちろん他の人にも大変ご迷惑かけますが、生徒会として今後とも厳しく取り締まっていきますので物事が大きくならないよう、なるべく彼らを刺激しないようご協力のほどお願いいたします。」

その話が締め言葉となり、今年度の生徒会会議第一回目が幕を閉じる。

「それではみんな、おつかれさまでしたーッ!」

かかった時間は30分程度。昼休み終了まであともうじき。
上級生から先に自分たちの教室に戻っていくため、下級生の一年生は議会が終わってもまだ生徒会会議室に残っていた。

「比路っ。」

「!」

そんな隙をつき、久野がやっぱり比路の元にやって来る。



比路と久野先輩

「克ー・・・ん゛んっ。久野先輩、今日はお疲れ様でした。」

「比路もお疲れ様。まさかここで比路と会うなんて思ってもなかったから、さっき見つけたときビックリしたよ。B組のクラス委員だったんだ。」

「あはははは・・・。」

まだ時間に少し余裕があるのをいいことに話し合う二人。
久野は比路に対して遠慮してないが、比路は周りを気にしているのか久野に対して他人行儀で、にその素振りは何処かぎこちない。

「珍しいね。こういうの比路、嫌がりそうなイメージだったのに。」

「ち、違・・・っ。それはその・・・。」

「ん?」

でも嘘はつきたくなかった比路。
自分よりも背が高い久野を屈ませたのに背伸びして、コッソリと耳打ちで本当のことを伝えた。

「僕らのクラス、くじで委員長決まっちゃって。それを僕が引いちゃって・・・。」

「え。」



比路と久野先輩 2

「あれ?比路の担任の先生って誰?」

「本田先生。」

「あー・・・、文芸部の。」

その話を聞いた久野は何か心当たりあった模様。大いに納得して大きく頷き、でも否定はしなかった。

「そっか。それは大変だったね比路。」

むしろ比路と違ってニコニコ上機嫌。

「って言うわりには克也、なんか嬉しそう。」

「え!?あ!そんなことー・・・。うん、そうだね。俺は嬉しいかも。」

なった理由はともかくとして。
ここでまた比路と会ったことを素直に喜んでいた。



プラス永瀬会長

「かつや。まえにいってたしりあいって、そのこのこと?」

「な、永瀬会長!」

そんな久野の様子を見ていた永瀬。
比路もいるのに気にしないで二人の話に参加。

「え、あ、いや。あれは別に比路のこと言ってたわけじゃなくて。」

「かくしてもムダだよ。かつや、すぐかおにでるからバレバレだよ。」

自分の目の前に生徒会の会長と副会長が揃うこの光景。

「っと、紹介するね。こちらは三年生の永瀬 めぐる先輩。さっきの議会でもう分かってると思うけど永瀬会長は生徒会執行委員の生徒会長。それでこの子は一年生の峰岸 比路。俺が中学まで通ってた道場が同じ子だった子でして。」

そして久野による紹介で生徒会会長の永瀬と名を交わし合ったのだが、

「よろしくね、ひろくん。」

「こ、こちらこそよろしくお願いいたします。」

そんな目の上すぎる上級生二人にさすがの比路も萎縮。
顔は笑っているのに引き攣っており、ほんのり青く染めていた。



比路と久野先輩 3

「克ー・・・とと、久野先輩。そろそろ戻らないと午後の授業に遅れちゃうから。」

「あ、ごめんね。つい捕まえちゃって。」

とは言え、時間が気になる頃になったここらで解散。

「そういえば比路、携帯買った?」

「ううん。まだ。」

「・・・そっか。じゃあもし買うことがあったら、いつでもいいから教えて。」

「うん。」

久野と永瀬と別れた比路は、上級生以外に同級生の姿もいなくなっていたことに気が付き、自分も慌てて教室へと戻って行くのでした。

「かつやにしては、せっきょくてき?」

「違いますから。そんなんじゃないですから。余計な検索したらいくら会長でも怒りますからね。」



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