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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#15 クラス委員初仕事(1/3)
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モーニング・ホームルーム

それは休日が明け、学校が再び始まった日。

「はーい。みなさん、おはようございます!」

いつものように自分たちの教室で、朝のホームルームが始まり、担任の先生から今日の連絡事項を言い渡された。
もちろんそれは1年B組の教室でも行われ、

「えっと、それからー・・・っと。そうそう、峰岸くん。今日の昼休み、13時から生徒会会議室で生徒会会議あるから忘れないように向かってね。」

「は、はいっ。」

比路は本田先生から『クラス委員長』としての初仕事を聞き、朝から緊張で気を重たくさせる。

「はぁー・・・。今から緊張してきた・・・。」

「ヒロ。腕力で片付けるなよ〜?」

「わかってるよ。もーっ。」



本日、寮弁のメインは牛丼

そんなわけであっという間に午前中の授業が終わり、昼休みに入る。

「あれ?司くん眼鏡取っちゃうんですか?似合ってたのに。」

「まだ慣れてないせいかな?見えすぎると逆に疲れてくるから授業の時だけ付けることにしたんだ。なんか現実見てるみたいでヤだし。」

「え?現実?司くん、何を言って???」

ガヤガヤ賑やかしい教室内。
司・比路・梅ちゃんの三人が集まり、昼食の寮弁を食べながら共にする。
そんな中、一人テンションがド低い比路。

「はぁ〜・・・。」

「比路くんも大丈夫ですか?」

「なんとか。食欲全然湧かないけど。」

紙パックの牛乳にストローをさし一口ぐらい飲んで、大きな大きなため息を吐く。
そして、

「・・・司。コレあとあげる。」

「いらないもの寄越しただけじゃん、それ。」

湧かない食欲とは関係なしに、比路が飲んでいた牛乳が司に渡った。



牛乳嫌い

「くれるなら肉もちょーだい!」

「やだ。」

「食欲あんじゃん!それ!」

そんな二人のやりとりを見ていた梅ちゃん。
寮弁初日から比路が牛乳を司に渡していたことを思い出し、ふと口にする。

「比路くんって、やっぱり牛乳苦手なんですか?」

「『やっぱり』?」

「あ、いえ、別に身長のことに関して言ったわけではなくて。この間も少し飲んでから司くんに渡して残してたから。」

っと、いけないいけない。
比路に身長のことを触れるのはNGだったこともギリギリで思い出し、セーフで躱す。
低身長イコール牛乳嫌いは定番なイメージに当てはまってしまうのだろうか。

「ん?今日も一口は飲んだから残してないよ?」

「え???」

「嫌いなものを残してもいいのは一つだけ。一口でもいいから食べましょうっていうルールが俺たちが通ってた学校であってね。ヒロ的には飲んだ方に入ってるんだよ。」

「な、なるほど。ってことは、やっぱり苦手なんですね。」



昼休み半ば

「ご馳走様でしたっ。」

そうして昼食を済ませ片付けた後、比路は司と梅ちゃんの二人に見送られ、本田先生に伝えられた通りに生徒会会議室へと向かう。

「ではでは行ってらっしゃい比路くん。」

「行ってら〜。」

「・・・いってきま〜す。」

その足取りは緊張のせいでちょっと重たく、トボトボとした歩きで如何にも力が入ってない様子。
推薦や立候補でなったクラスの代表ならまた違ったのだろうか。
自分はくじ引きでなんかでなったので場違いなんじゃないかと。過ぎた話をまだ少し引きずっていた。
そしてB組の教室を出て一年の階の廊下を歩いていると、

「そこのキミ。ちょっといい?」

「ん?」

誰かに呼ばれたので振り向くとそこには気品溢れたオーラを放つ眼鏡を掛けた黒髪の男子生徒が。



生徒会会議室はどこ?

その男子生徒というのは一年A組の相沢 圭。
もちろん二人とも互いに初対面であり、たった今が初接点。
けど圭は入学式の時に新入生代表として檀上に上がった生徒なので、比路はどことなく顔を覚えていた。

「突然ですまない。尋ねたいことがあるのだがー・・・。」

「うん?なんだろう?」

そんな圭が比路にいったい何の用だろう?

「・・・生徒会会議室って、あっちの方向であっているだろうか?」

「え。」

尋ねてきたのは生徒会会議室の在り処。
そんなもの生徒手帳を見れば一発で分かるのに、圭は訊きながら全くもって別方向に指をさしている。



生徒会会議室はどこ? 2

「違うくないと思うけど、あっちから行ったら着くの遅くなっちゃうよ?」

「む・・・。そうか、すまない。」

あっちの方向から行っても辿り着けるけど、遠回りになるようだ。

「なら、そっち?」

「違うよ。そっちでもないよ。そっちに生徒会会議室ないよ!?」

「むむ。・・・そ、そうか。」

あっちが違うなら、そっち。けどそれもまたもや的外れ。
そっちに行ってしまえば生徒会会議室に辿り着くことすら出来なくなってしまう。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」



A組とB組のクラス委員長

「ねぇ。よかったら一緒に行かない?僕もこれからそっち行くところだから、それなら迷わず着けると思うよ。」

「え?」

そんなわけで、

「初めまして。僕はB組の峰岸 比路。確かA組の・・・。」

「相沢 圭。・・・こちらこそ、よろしく。」

「うん。よろしくね圭。」

A組クラス委員長の圭とB組クラス委員長の比路が名を交わし合い、一緒に生徒会会議室へ向かうこととなった。

「峰岸くん。下の名で呼ぶのは申し訳ないがー・・・。」

「え。あれ?ダメだった?ごめん。名前でしか呼んだことなかったから、つい。」



生徒会会議室

「でもよかった。緊張で胃が痛かったから一緒に行く人いてくれるおかげで少し落ち着いたよ。」

「そう・・・。」

生徒会会議室に着くと、中はすでに上級生の生徒が集まり始めていた。
ここに集まる生徒は各クラス委員長と部活動の各部長に委員会の各委員長。なので一年から(同級生を除き)見れば皆、先輩しかいない空間。
そんな室内に足を踏み入れれば当然、また違った緊張が走る。

「こういう空気、苦手だな。」

「そう?」

「あれ?けー・・・相沢は平気なんだ。」

「まぁ。」

「すごいね。慣れてるとか?」

「まぁ・・・。」

そして比路・圭の二人も一年クラス委員と書かれた立札が置いてある席に(クラスが隣りなので)隣同士に腰を掛けた。



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