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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#14 司と比路の休日日和(3/3)
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大注目!

ウリ坊を抱えたまま眼鏡屋へ戻り、司の手に司の眼鏡が渡った後、バスに乗り込む。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

が、周囲の視線は司が抱えるウリ坊のせいで大集合。
司はニコニコと平気そうにしていたが、比路は恥ずかしかったようで誰とも視線を合わせないように終始俯いていた。
そうして学校最寄りのバス停で降りた二人は門限時刻前に寮へ帰ってきたが、

「森。流石に限度ってあるよな?」

「え!?あれ?ダメでした!?」

さっそく日暮寮長に取っ捕まり、ウリ坊没収の危機に陥った。



限度

「そりゃ遊戯物持ってくるなとは言ってねぇけど、さ。何事にも限度ってあるんだ。なんかデカいし、その縫いぐるみ。邪魔にしかならないだろ。」

「うぅぅ・・・。」

「諦めろ。一時帰省する時に返してやるから、その時に家に持って帰れ。部屋には持ってくな。」

っというわけでウリ坊没収。
されかけた途端、司は諦め切れなかったのか。

「待って日暮寮長!これは確かに縫いぐるみだけど、デカぐるみの抱きぐるみと言いまして抱き枕なんです!ヒロの!」

「「は?」」

デカ抱きぐるみのウリ坊が比路の抱きぐるみだと言い張り始めた。
もちろんそれは司の口から出た突発的な出任せ話。

「ヒロが寮の枕あってなくて、こういうのないと寝つけないって言ってて。ここ数日、ちゃんと寝れてなくて。」

それを聞いた比路も日暮寮長も『何言ってんだ?コイツ』的な表情で彼を見る。



白黒つけた判断のわけ

「・・・・・・・・・。」

司の出任せの言い訳を最後まで聞いた日暮寮長は、今度は比路を見た。

「え?何?」

上から下。
下から上。
視線をゆっくり動かし、はぁーっと長めに溜息を吐く。

「・・・え?」

そしてその結果。

「ったく、しょうがねぇーな。特別に許可してやっから、今日からちゃんと寝ろよ。」

特別に許可がおり、ウリ坊を没収されずに済んだ。
が、

「ちょっと待って。なんで?なんで僕見て納得されたの!?納得され方に納得できないんだけど!」

「抑えてヒロ!後で俺を殴っていいから、ここは俺のために抑えてヒロ!!」

自分の見た目で白黒つけられた判断に異議アリな比路だった。



司・オブ・眼鏡

「これで俺も眼鏡っ子の仲間入りー♪」

そういうわけで本日のお出かけ目的だった眼鏡を改めて装着した司。

「おぉー!すごいすごい!すごい遠くまでハッキリ見えるよ!!なんで俺もっと早く眼鏡買わなかったんだろう?って後悔するぐらいよく見えるよ!」

上機嫌に眼鏡を押し上げ、憧れだった『クイ』を何度も何度もクイクイクイクイ繰り返す。
そんな調子で学習時間を迎えても装着したままでいたが、

「ヤバイ・・・。見えすぎて疲れてきた・・・。」

「は?」

慣れない眼鏡に悪戦苦闘?

「眼鏡なんかもういいや。現実見てる気がして、なんかイヤ・・・。」

「はァ!?」

その最後には外してケースにしまい机の隅にまで遠ざけてしまう。
結局、完璧な眼鏡っ子にはなれなかった彼なのであった。



青ノ葉 第14話をお読みいただきありがとうございます!

司はもともと眼鏡っ子だったんですが
第一話公開してから二か月ぐらい経った後に読み直したら、
司に眼鏡を掛け忘れたという作者アウトな裏話がありました
(当時、ツイッターでもコッソリつぶやいてましたが)
なのでどうしようかな・・・って悩んでいたところ
司と比路でゲームセンター行かせる話も考えていたので、
そこについででいいや感覚でぶっ込ませました
これで大丈夫!無問題!大解決!(・ω<)☆


 ※※※ ダメ作者で本当にごめんなさい ※※※
 


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