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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#14 司と比路の休日日和(2/3)
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時間潰しに

司の手に司の眼鏡が受け渡るまで、しばし時間がかかるとのことだったので、それまで時間を潰すことにした二人。
郵便局へ向かった時、途中で見つけたゲームセンターに立ち寄る。

「おぉーッ!ここのゲーセンひっろーい!地元以上に充実しててテンション、マジで上がってキタ!!」

ゲーム好きの司にとって、ここは天国?いいえ、ここが天国。
入った途端にテンションがフルマックスまで急上昇し、ドキドキとワクワクな感情が彼を大いに興奮させた。

「カラオケも併設してるんだね、ここ。」

「そんなのいいから。ヒロもゲームで遊ぼうよ。」

「わわっ!?分かったから服まで引っ張らないで!伸びちゃう!」

そしてそのまま比路を巻き込んで、奥まで進む。

「対戦するのはいいけど罰ゲームはなしだからね。」

「分かってまぁーす!」

「本当かなぁ・・・。」



銃より早い倒し方?

まずはゾンビを打ち落とすガンシューターティングゲームをツープレイでゲームスタート!

「相変わらず司、こういうゲームも上手いよね。」

「そういうヒロさんは下手くそすぎ。さっきからどこ撃ってんの?ちゃんとゾンビ狙って撃てって。」

「だって映像なんかグロイ・・・。ゾンビもグロイし背景もグロイし人間もグロイ。全部、気持ち悪くて撃ち落したくなる。」

司は絶好調だが、比路は絶不調。
それは数字でも明らかに表されて二人のスコアが、どんどんどんどん離れていく。

「って言ってるそばから人間撃つなーッ!」

「だって邪魔!そんなとこでヘルプ言われても撃って下さいにしか見えないよ!」

そして二人の勝敗は確認する間もなく、司が圧勝だった。

「銃よりも殴って倒した方が早くない?撃ち間違えることもないだろうし。」

「郷に入った以上は郷に従えっていう諺あるでしょ?そういう仕様なんだから従わないとダメだって。」



T.K.S

比路がボロボロだったせいで、司は物足りなかったようだ。
ソロプレイなのに二人分のコインを払い、もう一度ゲームスタート!

「おらおらおらおらおらおらッ!!」

二つの銃を一人で器用に扱い、人間は救いゾンビや敵キャラを次々に撃ち落していく。
スコアもさっき以上に伸ばして自己記録を更新しまくり。
その結果、

「ハイスコアいただきました、ブイッ!」

「わぁー、おめでとー。」

スコアランキングまでも新記録更新。
一番上の最上位に躍り出て、司は自分の名を三文字の英字で残した。

「『T.K.S』で『つ・か・さ』っと。へへへへーん、どんなもんだい♪」

「はいはい、おめでとー。」

「もうヒーロ!さっきから棒読みすぎ!もうちょい気持ちこめて祝してよ〜。」



EEEEEE

「こういうレトロゲームもあるんだ。」

「なにこれ?」

「ヒロヒロ、これやってみて。はい、グローブ。」

「思いっきりストレートで殴るだけ、か。よしっ!」

次のゲームはレトロ感ありまくり?
筐体の打撃目標を殴ることで、その威力を測定するパンチングゲーム。
今度は比路オンリープレイのソロプレイでゲームスタート!

「ふんッ!」

バゴーンッと鳴った音とバキャーンッと鳴った聞こえちゃいけない音。
両方の音が殴った途端に聞こえたその結果。

「あ、あれ?司、なにこれ?逆文字の3がいっぱい・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

お店のスタッフさんに平謝りする記録を作り、暫くの間このゲームの稼働を停止させるほどの強暴伝説を残したのだった。

「すみませんでした。この人が加減なく殴ったせいで壊してしまって。」

「ごめんなさい・・・。」

「だ、大丈夫ですよお客様。元々古いゲームなので当てた途端に老朽が祟って、たまたま壊れてしまっただけだと思いますので。」



コースターに太鼓にドラム式洗濯機

「おぉッ!?ここコレあるんだ!地元のゲーセン、これなかったからやってみたかったんだ〜!ここのゲーセン、マジ最高ッッッ!!」

「なにこれ?何のゲーム?」

気を取り直して次は指一本のカンタン操作で、ジェットコースターのように疾走感が楽しめる最新型の音ゲー&リズムゲーム。
司と比路、今度は二人揃って初プレイ。
知ってるアニメソングを中心に選んでゲームスタート!

「あははは!めっちゃ面白いコレ!」

「司、あとで太鼓もやらない?」

「やろうやろう♪あっちに別名ドラム式洗濯機もあったから、そっちもあとでやろっか。」

もちろんここでも司のスコアのが高かったので彼の勝ち。
音ゲー好きの二人は次々とハシゴったのでした。



ぷち休憩

でも流石に連続プレイは疲れたので、ここらでちょこっとプチ休憩。

「あれ?何食べてるのヒロ。」

「タコ焼き。小腹空いちゃって・・・。あっちに売店あったから買っちゃった。」

「いいな〜。俺にもちょーだい。」

売店付近にあったベンチに座り、一箱8個入りのタコ焼きを一緒に食べながら一息ついた。

「ん。んー・・・、やっぱり外カリ中ふわなタコ焼きだったか、コレ。」

「うん?うん。ん?司、美味しくないの?」

「いや。美味いんだけどさ、こういう感じのタコ焼きしか見なくなったーって話を小耳に挟んでさ。中までしっかりギッシリ焼かれたタコ焼き、外じゃ食べなくなったな〜って思って。」

「言われてみれば確かにそうだね。」



デカ抱きぐるみ

そんなプチ休憩から復帰して、プライズコーナーを散歩中。

「んんっ!?」

あるものに気付いた司が、クレーンゲームのデカぐるみコーナーの一角へと突っ切り、

「おおおおおーーー!!デカ抱きぐるみのウリ坊だーーーっ!!」

「ウリ坊?」

「欲しい欲しい!これ超絶めちゃくちゃ欲しい!!」

デカぐるみでもあり、抱きぐるみでもあるウリ坊の縫いぐるみ。
それは60cmもあるプライズゲーム限定商品。

「これだけデカかったら『ウリ坊』っていうより『イノシシ』じゃない?」

「いいえ。ウリ坊です。」



クレーンゲーム司流戦法

そういうわけでデカ抱きぐるみのウリ坊ゲットに向けて、司ソロプレイでゲームスタート!

「すみませーん!」

司は直ぐにスタッフを呼んで、取りやすい位置に動かしてもらえるよう上手に交渉。
そして迷わず6プレイ分のコインを投入。

「こういうゲームって騙されてる気がして、僕は好きになれないな〜。」

「まぁ、簡単には取れるわけないよ。ハイエナでも直ぐに取れたら超ラッキーだし。」

アームの力を見て開くまでの動作から閉じるまでの動作など。
最初の数回で、このクレーンゲームの特徴を覚えてからが本番。

「そんなゆるっゆるな弱弱しいアームで大丈夫?掴んで取れなくない?」

「掴んで取ろうとすると変な位置にズレたりして余計に取りづらくなるからアウト。中にはそれで取れるのもあるけど、そんなの滅多にないから財布のために止めておいた方がいいね。」

「な、なるほど・・・。」



クレーンゲーム司流戦法 2

アームで掴まないよう、アームでズラしていく基本的な戦法で挑む。
少しずつ確実に出口へと縫いぐるみを導いていく。

「司。さっきからどこ見てるの?ちゃんとアーム見てなくて大丈夫?」

「うん。アームもちゃんと見てるから大丈夫。」

「アームも?え、他にどこか見てるの?」

「まあ見ててよ。」

あと少し。あと少し。
そこまで来たら比路も希望が持てたのか、資金を援助して司を支援。
そしてー、

「とったどーーーー!!!」

やっとのことで待ち焦がれたデカ抱きぐるみのウリ坊をゲットしたのでした。



後のことは考えてなかった

「やった!やった!ヒロやったーっ!」

「わ!?わわっ!?」

司は嬉しさのあまり、ウリ坊と一緒に比路まで巻き込んで喜びまくり。
満面すぎる笑顔がこの幸せを物語っている。

「ヒロもありがとね。途中で両替しに行ってくれたりして。あ、貸してくれたお金ちゃんと返すから。」

「いいよいいよ。それはいいから大事にしてね、その縫いぐるみ。」

「うんうん。ヒロすけも使っていいからな。」

「僕はいいよ〜。ところで司・・・。」

そんな最中で比路が現実へ引き戻してきたが、

「それ、どうするの?まだ眼鏡屋に行かないといけないし、それに寮まで持って帰る気?」

「あ・・・。」

案の定、あとの事は考えてなかった司だった。



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