でもおかげで比路と久野が、再び気まずくなるようなことはなくてギリセーフ?
「それじゃあ比路くん。僕、先に自分の部屋に戻るから、あとよろしくね。罰ゲームも、ここまでで大丈夫だから。」
「えぇぇ!?」
明人は自分で招いておきながら、あとのことは比路に任せて、満足そうに去って行く。 残された比路は、明人に残された言葉が。何をよろしくされたのか、いまいちよく分からなかった。 だけど、
「・・・違う。・・・違う。・・・違う。そんなんじゃ・・・、ない。」
「・・・・・・・・・。」
真っ赤な顔のまま、ぶつぶつ呟いている久野の様子が気になって仕方がない。 なので明人が去った後も部屋に帰ることはなく、このまま彼と一緒にいることにした。
「か、克也?」
しかし久野に声を掛けた途端、
「ひッ!」
「え?」
一瞬とはいえ肩をビクつかせるほど、竦まれてしまう。
|