青ノ葉学園の2年生が林間学校へ出発する同日の朝。 スズメの鳴き声が響き渡る、いつも通りの時間に起きた比路。 昨夜、一緒に寝た司を起こさないように、そっと起きて物音に気を付けてながら身支度を整えていた。 けど全く鳴らさなかったわけじゃないから、その音で目が覚めたのか。
「ん・・・っ、おはよ。ヒロ。」
「わ?!・・・ご、ごめん司。起こし、ちゃった?」
起きた司が、着替えていた真っ最中の比路に話掛ける。 それでビックリした比路だったが、今の時刻を思い出して直ぐに声の大きさを落とした。
「ううん、大丈夫。朝練行くところだった?」
「う、うん。」
そんな比路に、ちょっとギクシャク感があるのは、やっぱり昨日の司との喧嘩?が原因。 でもその日のうちに。 司とも仲直りしたから、もう大丈夫。
「そっか。・・・頑張って、いってらっしゃい。」
「うん。行ってきます。また教室でね。」
自分の準備が整ったら、いつも通りに司に見送られて、部屋から出て行った。が、今の時刻は朝の6時ちょっと前。 いつも通りに起きてしまったが故に、いつも通りの行動をしてしまった比路を見て、司は布団の中で思わずポカンと首を傾げた。
(って、あれ?まだ6時前だったんだ?ヒロったら克兄ちゃんいないのに、こんな早く起きてどうするんだろう???)
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