「しっかりしろってば!!久ー・・・克也!!」
滑り降りたor落ちたあの崖下から移動した古びた小屋の中で、崩れるように倒れた久野。 けど意識までは失ってなかった模様。
「ー・・・大丈夫、だから。」
「大丈夫なわけないだろ!そんなぶっ倒れ方しておいて!」
犬飼の必死な声掛けに反応して、ゆっくりと倒れた身体を動かし、近くの壁に背をもたせる。 しかし久野のその身体は異常にまで熱を発していて、ぐったりと浅い呼吸を苦しそうに繰り返す。
「ホントに・・・大丈夫、だから。少し・・・ここで。先生たちの救助が来るまで、休ませてくれれば・・・、大丈夫だから。」
「お前・・・。まさかその怪我のせいで、熱が出てきてんじゃ!?」
そんな状態でも本人は大丈夫と口にするが、どっからどう見ても大丈夫とは思えない。 だから犬飼は己の知識だけでなんとかしようとしたものの、
「ちょっと待ってろ。今、何か探しー・・・ッ!」
負傷して痛む自分の足に邪魔されて、思うように身動きが取れなかった。
「だからそんな足で・・・、無理に動こうとするなって・・・。」
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