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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#84 青ノ葉 林間録(前編)(1/4)
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林間学校編 スタート

林間学校、当日ー・・・。
朝早く正門前に集合させられた青ノ葉学園の2年生。
学校側が貸し切った3台のバスに、自分たちの荷物も荷台へ積ませて、クラスごと分かれて乗り込む。
これから向かう先は、街からも学校からも遠く離れた山の奥。
ここも青ノ葉の私有地の一部であり、主に夏合宿が行われるクラブハウスとも名付けられた保養の施設。
山の自然がこんなにも近くに感じられるので、山荘とも例えるべきなのか。
去年も合宿で訪れているから初めてではないのだが、印象は初めて来た時と同じ。
とっても静かで、とってものんびりしていて、澄んでる空気だって一味も二味も違うから、疲れて荒んだ心を落ち着かせてくれるような場所だった。

「山ちっけぇー!」

「空気うっまー!」

けどこの施設を使うことになるのは、その去年の夏ぶりで約1年ぶり。
建物自体は2階建てで、面積も学生寮程ではないものの。
それなりに大きくて広いせいで、教員や関係者だけでは合宿時期が始まるまで色々が間に合わないので、表向きでは林間学校。裏向きでは人柱要員として、掃除と点検が訪れた彼らの目的内に強いられているのでした。
そんな役目、新入生の1年生や受験を控える3年生にはやらせられないので。



青ノ葉2年生 主要人物と各クラス

それでも生徒や教員、関係者の安全は第一だ。
クラブハウス内のホールにて全員集合したら先ずは、この1泊2日の林間学校や今夏の合宿が。今年も最後まで何事もなく無事に終えられるよう、2年生が代表で黙祷を捧げて祈願する。

「・・・・・・・・・。」

その後は各クラスで決めた部屋割り通りの部屋へ、持ってきた荷物を置きに行こう。
そして青ノ葉2年生による林間学校編を始める前に、誰がどこのクラスにいるか復習も兼ねて改めてご紹介。
2年A組には、真柴 陸哉(クラス委員)、加藤 謙吾、風雅 佑、矢口 純平・・・以上、4名。
2年B組には、鬼頭 冥、久野 克也、月島 優介・・・以上、3名。
2年C組には、犬飼 冴、羽崎 空、桃地 小太郎、渡辺 鳴海・・・以上、4名。
詳細紹介パート3でも記載してる内容ですが、2年生の登場人物は現地点では計11名で、お送りしていきます。
作者も林間学校が始まるまでに全員登場させるの、調整も含めて頑張りました。



いつも通りじゃない彼ら

クラブハウスに到着したのは、ほぼお昼頃。
無事に祈願も終えて、いつもより早い時間ではあるがキリがいいので、ここらでホールの隣部屋、飲食スペースであるダイニングルームにて昼食を。
お昼ご飯は学生寮のおばちゃんたちが、この日のために作ってくれた林間学校バージョンの寮弁。
お弁当箱ではなくプラスチックの容器に、いつもと変わらない愛情と優しさがいっぱい詰められている。
でも今日は食べる場所が違うからか。いつもの味付けだけど、いつもとは違った新鮮さがあって、いつも美味しいのにそれ以上に美味しく感じた。
そんな中、2人に何かあったのか。

「「・・・・・・・・・。」」

いつもなら少しぐらい会話を交わすはずなのに、一緒の班で組んでおきながら、何故か全くもって喋らない久野と鬼頭。
久野は話しかければ普通に返してくれるのでマシな方だが、鬼頭は近づくなオーラどころか話掛けんなオーラが全開。いつもと変わらない顔色のくせに、彼から漂う雰囲気は凄く機嫌が悪そうだった。
おかげで同じB組のクラスである月島も、

(わーん!助けて、お空ー!久野くんはまだしも、鬼頭くんが何か怖いよー!?)

班が同じで割られた部屋も同部屋だった為、2人以外の同班の生徒と一緒に怯えていた。



食べながら見てるから・・・

そんな彼らと同じく、もう1人。あんまり機嫌がよくなさそうなのがいた。

「どうした?純平。そんなにしおりをペラペラ見て。」

「あ、いや。・・・・・・特になんでも、ない。」

事前に配布された林間学校のしおりをペラペラと、矢口が難しい顔で読み流す。
その様子に気付いた同じ班の風雅も気になったが、他の2名も。

「お前、そんなに今日の林間学校楽しみにしてたのか。」

「へぇー、意外。」

「は?」

陸哉や加藤までも興味や関心を持ち、ここぞとばかりに。
風雅、加藤、陸哉の順で打ち合わせしてないのにも関わらず息を揃わせて、ケラケラと茶化してくる。

「なんだ?それならそうと言ってくれよ。純平はツンデレか?」

「違う違う違う。」

「犬飼たちも普通に参加してるしな。サボらず来るとはホント意外。アイツらも矢口のように楽しみのしてたんだなぁ。」

「違う違う違う。」

「じゃあ昨日の夜、何時に寝てたか言ってみろよ。まさか楽しみすぎて寝れなかったってオチじゃないだろうな?」

「違・・・っ、違うっつってんだろうが!!」

おかげでB組よりは雰囲気の良いA組だった。



いつも通りな彼ら

B組→A組と順にきたのでC組の様子も少々。
C組には犬飼がいるので、出発のうちから異様な空気感が少し漂っていた。
『いつものようにサボればいいのに』とか。
『なんで来るわけ?来なければいいのに』とか。
『バカ!余計なこと言うなって!アイツに関わるとロクなことねぇんだから!』とか。
『頼みから林間学校中は大人しくしててくれよ』とか。
色々とチクチク言葉がヒソヒソ声で飛び交っていた。
そんな中、空から犬飼へ。

「はい、これ。犬飼くんたちの分の飲み物。」

昼食時、一緒に紙パックのジュースも配られたから、桃地の分まで彼に渡そうとする。
けど、

「・・・パス。これ飲めないから、お前らで勝手に飲めよ。」

「え?」

それを受け取らなかった犬飼。
一緒にいた鳴に「だから言ったじゃん」と心配され、引き下げられる空。
けど離れたところで様子見ていると、姿がなかった桃地が戻ってきて、今までパシられていたのか。

「犬飼さん、飲み物買ってきたっす!」

「・・・ん。」

どっかの自販機から別の紙パックのジュースを嬉しそうに買ってきて、それなら犬飼も受け取り大人しく飲んでいた。
そんな彼らの一連が、彼の目に何故か印象残った。



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