林間学校、当日ー・・・。 朝早く正門前に集合させられた青ノ葉学園の2年生。 学校側が貸し切った3台のバスに、自分たちの荷物も荷台へ積ませて、クラスごと分かれて乗り込む。 これから向かう先は、街からも学校からも遠く離れた山の奥。 ここも青ノ葉の私有地の一部であり、主に夏合宿が行われるクラブハウスとも名付けられた保養の施設。 山の自然がこんなにも近くに感じられるので、山荘とも例えるべきなのか。 去年も合宿で訪れているから初めてではないのだが、印象は初めて来た時と同じ。 とっても静かで、とってものんびりしていて、澄んでる空気だって一味も二味も違うから、疲れて荒んだ心を落ち着かせてくれるような場所だった。
「山ちっけぇー!」
「空気うっまー!」
けどこの施設を使うことになるのは、その去年の夏ぶりで約1年ぶり。 建物自体は2階建てで、面積も学生寮程ではないものの。 それなりに大きくて広いせいで、教員や関係者だけでは合宿時期が始まるまで色々が間に合わないので、表向きでは林間学校。裏向きでは人柱要員として、掃除と点検が訪れた彼らの目的内に強いられているのでした。 そんな役目、新入生の1年生や受験を控える3年生にはやらせられないので。
|