「ちゃんと食べたし、もう俺のお腹には入んないから。あとはヒロが責任持って残りを食べて。」
「うん・・・。」
すると比路もやっと受け取って、大人しく続きを最後まで食べた。
「もー、オルチョコセットはズルイって。寮に来てからしばらく食べてなかったんだから、見たら食べるしかなくなるじゃん。」
ちなみにオルチョコセットとは、オールドファッションとチョコドーナッツのこと。 この2つは絶対に好きで食べる組み合わせだから、司が独自で作った自分だけの通称名なのだ。
「ヒロ、ちょっと待った。ストップ、ストップ。」
「?」
「やっぱもう1口ずつ、ちょうだい。食べさせて♪あーん。」
「ー・・・はい、あーん。」
こうして2つのドーナッツを2人で食べ終えた後は、歯磨きセットを持って部屋の外へ。 コッソリ音を立てないように洗面所に向かって一緒に歯磨きを。 それでも見回りしてた日暮寮長に見つかったが、「お喋りに夢中で歯磨きしないで寝るとこだった」という偽りの言い訳が効いて、ちょっと注意されただけで歯磨き終えたら、無事に部屋へ戻って来れた。
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