青ノ葉学園の最寄り駅から商店街の方面まで運行するバスの車内は、ほどよく冷房が効いてて涼しかった。 乗客も青ノ葉生はこの3人しかいない上、まだ帰宅ラッシュ前なので、ほぼガラ空き状態。おかげで比路、久野、小町の順で横並びに座ることが出来た。
「そういやぁ、かっつぁん。メイちゃん誘わなかったん?」
「いえ。昨日の夜、冥にも今日のこと声掛けましたよ。でもお金と一緒にリストを渡されて、自主トレに集中したいからって断られて・・・。」
「なんて声掛けたん?」
「え?普通に。比路もいることを伝えた上で、冥も一緒に来ない?って感じで。」
そして目的地まで途中停車もなく、あまり信号にも捕まらずに済んだので約20分程で到着。 少し長かったけどお喋りしながらだったから、あっという間な時間だった。
「あー、なるほど。そんな誘い方したら、メイちゃん絶対来ないって。」
「え。だって先に比路を誘っていたから、それを言っておかないと。どのみち冥を後でビックリさせることになって悪いじゃないですか。もちろん冥も行くってなったら比路にも、ちゃんとメッセージ送るつもりでいましたし。」
「メイちゃん、気遣い屋さんだねぇ。オレなら今みたいに敢えて行くを選ぶけどなー。」
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