そんなことがあったが放課後を迎えたのであれば、お出かけ用の私服に着替えてから、待ち合わせ場所に指定している学生寮のロビーへ向かおう。 するとそこには既に久野の姿があり、何分前からいたのか分からないが、ソファーに座って比路が来るのを待っていた。
「午後の授業もお疲れ様、比路。準備出来た?」
「・・・うん。」
「ん?どうかした?あんまり元気ないように見えるけど大丈夫?」
「あ・・・、ううん。大丈夫、大丈夫。今日暑かったから、その暑さに体力持ってかれた感あって少しバテ気味なだけ。」
「確かに今日は晴れたから、午前中のうちから暑くて大変だったね。今年の最高記録、更新されてそう。」
制服やジャージ、道着姿は普段から見慣れている格好だけど、街まで出掛ける為の私服は着るのも見るのも久しぶりだから、お互いに少し新鮮だった。
「このまま梅雨も明けてくれればいいのにね。」
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