翌日ー・・・。 朝6時を迎える10分前、学生寮の食堂にて。
「おはよう克也。」
「・・・おはよう、比路。」
この時間帯で数日ぶりに揃った比路と久野の2人の姿。 いつもなら久野が先で、その後が比路。 でも今日は比路が先で、その後が久野。 また逆パターンとなった待ち合わせの朝。
「久しぶりなのに来るの早かったね比路。またアラームが鳴る前に起きちゃった?」
「ううん、今日はいつもより早く起きれるよう頑張ったんだ。」
それは過去にも、たまにあった順番の入れ替わり。 けど前回と違う点は、偶然か必然か。
「朋也から聞いたんだ。僕がこの時間に来てなかった間、克也が限界まで待っててくれてた話。僕、克也の時間を凄く勿体ないことさせてたから。だから今日は絶対、克也よりも早く来ようって決めてて。」
「後藤、その話。比路に話しちゃってたんだ・・・。」
たったそれだけだけど、とても大きな違いだった。
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