しかしこのまままた続いたら気の毒に思えたのか。
「比路、こっちの箱と交換しよっか?高い位置の備品が、そっちの箱に集中してるみたいだから。」
「うん・・・。ありがとう克也。」
久野の案で、担当する段ボールをトレードした2人。 さっきまで黙りになるほど気まずかったくせに、『おいで』と呼ばれて素直に向かう比路。 だけど久野は、それを狙っていたのか。 交換した段ボールの前にいる比路を逃さないよう、背後に回ってまで捕まえた。
「克・・・也・・・?」
「よかった、比路がこっちに来てくれて。・・・ここで避けられたら、本当にどうしようと思ってたところだったから。」
そして柔んだ雰囲気があるうちに。
「ー・・・ごめんね、比路。前にここで鉢合わせた時、俺も情けない一面見せちゃって。」
「!」
久野が比路に、この間のことを謝ってきたのだ。
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