今朝も柔道部は朝練があったのに、3番手として現れなかった比路。 そんな日々が続いていて『やっぱり久野と何かがあった』ことを察する朋也。
「峰岸。本当に大丈夫なのか?」
「う、うん・・・。大丈夫、大丈夫。」
けど比路は苦い笑顔で、この話題を多く語らなかった。 しかし、いつまでも避けてばかりではいられない。 何故なら、
「それでは今日の連絡事項は以上ー・・・っと、いけないいけない。峰岸くん、今日の昼休み。いつものように13時から生徒会会議室で生徒会会議あるから忘れないように向かって下さいね。」
「・・・はい。」
本田先生から月1恒例の『クラス委員長』としての仕事を、朝のホームルームで聞かされたから。 同じ部員としての顔合わせを避けられても、クラス委員として生徒会との顔合わせは絶対に避けられない。が、
「峰岸。本当に大丈夫なのか?」
「う、うん・・・。大丈夫、大丈夫。」
返事に元気がなかったせいで、また朋也に心配される比路だった。
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