それから暫く時間が経って、あっという間に放課後に。 皆それぞれ自分の部活動に向かっていく中、比路は自分の席に着いたまま立とうともしない。 迎えに来たはずの恭にも「先に行ってて」と答え、一緒に向かわなかった。
「峰岸・・・、具合でも悪いのか?」
そんないつもと違う比路が気になった朋也は、今朝のこともあったから、思わず調子を伺う。
「え、具合?ー・・・は別にいつも通りだよ。特に何処か悪いとことかないし。」
体調の方は本人も言ってる通り、大丈夫なようだ。 しかし、
「そうか。どこも悪くないならいいんだ。・・・朝、いなかったから少し気になって。久野先輩も限界まで峰岸のこと待ってたっぽかったから。」
「あ・・・・・・・・・そう、だったんだ。」
久野の名前を出した途端、少し気まずそうな様子が感じ取れた。
|