朝6時、学生寮の食堂にて。
「あ・・・、おはよう。後藤。」
「・・・おはようございます。」
誰よりも最初に訪れていたのは久野。 2番手は園芸部の花壇の水遣りに早く起きてきた朋也。 しかしその次となる3番手は、なかなか姿を現してこない。 寝坊でもしたのだろうか? そんな『いつも』になりかけていた朝風景だけあって、朋也も少し違和感を覚える。
「えっと・・・、そっちは今日も水遣り?園芸部って、当番制じゃないんだね?大変じゃない?」
「はい。・・・割と好きでやってることなので、俺はこのままでも平気です。」
「そっか。今日も暑くなるだろうから熱中症に気を付けてね。」
久野も自分の限界まで待っているような気がしたが、何かに溜め息吐いて、そのまま諦めてしまう。 そして朝食済ませたら、いつものように道場へと向かって行ったが、
「・・・?」
その後ろ姿は、どこかしょんぼり感が。 そこからも『いつも』にはない違和感を覚える朋也だった。
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