それから食堂を後にして、再び部屋へと戻ることとなったが、その前に。
「そうだ。純平に訊きたいことがあったの今、思い出した。すっかり忘れてたわ。」
「・・・・・・・・・。」
さっき『純平に訊きたいことある』と。『飯食ってる時にでも』とも言ってたくせに。結局、何も言ってこなかった。何もなかったから余計に気になって仕方がなかった矢口。 こっちから改めて言うのも嫌だったから、何も言わないでいたのに。 それを思い出された瞬間、忘れてたのなら忘れてたでよかったのに・・・。っと、ついつい思ってしまった。
「・・・なんだよ。その話って。」
そうして周囲に人がいないことを確認してから、風雅はハッキリとした口調で訊ねてきたが、
「まあ、まどろっこしいのもアレだから単刀直入にバッサリ訊くけど・・・。純平さ、もしかしてウチの真央先輩にフラれたりでもした?」
「・・・・・・・・・・・・。」
それは単刀直入すぎるほどの質問内容。 あまりにも率直すぎて、矢口は思わず返す言葉を一瞬、飲んでしまった。
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