ところ戻って、保管庫にいる比路と日暮寮長はー・・・。
「うっし、おしまい。こんなところだな。」
在庫確認が最後まで出来たようだ。
「そいじゃコレ、約束通りのお駄賃。」
「わー・・・、ホントに赤ペン1本。」
「たった数分間、俺の話し相手になってただけで、1本50円を奢ってやったんだから。十分、いいバイト代だろ?あんまり誰かに言い触らすなよ。」
気が付けば、もうこんな時間。 あとちょっとで学習時間が始まってしまう。
「また克也が駄目っぽい場合、克也代理として付き合わせてやるから覚悟しとけよ。」
「え!?『また』あるの!?」
「あるに決まってんだろ。怨むなら許可もなく勝手に人のスマホに番号登録した自分を怨め。」
「ならせめてスマホで連絡して下さいよ。勝手にやっちゃったこととはいえ、せっかく登録したんですから。寮内放送からだと、僕が何かやらかしたみたいになって、友達に要らない心配かけちゃうじゃないですか。」
これでやっと寮長から解放。 無事に何事もなく、ようやく保管庫を後にする。
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