すると永瀬はその問いに「ちょっと、ね」と、何かを深く考えた仕草で、その訳を答える。
「また『シロ』がどっかいっちゃって・・・。」
「え?」
「おひるのときね。せいもんのところまでおいついたんだけど、すきつかれてにげられちゃって。みまわりついでにさがしてたの。」
「えっと『シロ』って確か、白猫でしたよね?あのふてぶてとした太ったデブ猫。」
「ふくよかっていって!シロはムズカシイせいかくなんだから!」
白色の毛並みを持つ白猫、名は『シロ』。 ボテボテとした歩きが特徴でとてもよく似合うデブね・・・ふくよかな猫。 その猫を永瀬が特別な許可を得て面倒見ているようで、シロのことを人一倍気に掛けて、心配するもの無理がなかった。
「だれもひっかいてないといいな・・・。」
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