それから数時間後。 学習時間が終わって就寝時間前に、1件の着信が比路のスマホに入る。 誰だろう?と画面を見たけど、それは知らない電話番号からだった。
「???」
その電話に出るか出ないか。 迷っているうちに時間経過で切れてしまう。
「どうしたん?今の電話、出なかったの?」
「うーん・・・。誰からなのか分からなくて。」
しかし数秒後。 もう一度、同じ番号から電話が掛かってきた。
「悪戯電話?それかヒロのお父さんが仕事先で、誰かのスマホ借りて掛けてきてるとか。」
「あー、そうかもしれない。・・・だったら出るのヤダな。」
「そんなこと言わないで出てあげてよ。ヒロのお父さんからならヒロが出るまで永遠に鳴り続けるからさ。」
なので今度は時間経過で切れないうちに。 司にも鳴りっぱは煩いと怒られたため、ピッと出た。
「ー・・・、どちら様で?」
『どちら様?じゃねえんだよな〜。人のスマホに勝手に登録しておいて。』
「ぅえッ!?あ、え、あ、りょ・・・、寮長!?」
『あと電話1回で出ろや。』
そしてその知らない番号は日暮寮長からの電話で、上部スピーカーの受話口から彼の声が聞こえた。
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