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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#76 招かれた奥の私室(4/4)
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知らない番号からの着信

それから数時間後。
学習時間が終わって就寝時間前に、1件の着信が比路のスマホに入る。
誰だろう?と画面を見たけど、それは知らない電話番号からだった。

「???」

その電話に出るか出ないか。
迷っているうちに時間経過で切れてしまう。

「どうしたん?今の電話、出なかったの?」

「うーん・・・。誰からなのか分からなくて。」

しかし数秒後。
もう一度、同じ番号から電話が掛かってきた。

「悪戯電話?それかヒロのお父さんが仕事先で、誰かのスマホ借りて掛けてきてるとか。」

「あー、そうかもしれない。・・・だったら出るのヤダな。」

「そんなこと言わないで出てあげてよ。ヒロのお父さんからならヒロが出るまで永遠に鳴り続けるからさ。」

なので今度は時間経過で切れないうちに。
司にも鳴りっぱは煩いと怒られたため、ピッと出た。

「ー・・・、どちら様で?」

『どちら様?じゃねえんだよな〜。人のスマホに勝手に登録しておいて。』

「ぅえッ!?あ、え、あ、りょ・・・、寮長!?」

『あと電話1回で出ろや。』

そしてその知らない番号は日暮寮長からの電話で、上部スピーカーの受話口から彼の声が聞こえた。



検証結果

何故なら学習時間中の点呼で回られた時、寮長は何も言って来なかったから。
『やっぱり気づかなかったんだな』と、そこで検証を終了させていた。
だからその後で電話を掛けてくるとは思ってなかった比路。

『で?何か俺に言うことは?』

「ご、ごめんなさいでした。勝手に登録して。あれだけ多かったから気付かないかなって思って。」

『この俺を誰だと思ってる?』

「りょ・・・、日暮寮長。」

『『様』は?』

「・・・様。」

肩を竦ませて、悪戯したことに平謝り。
電話相手には見えないのに、慌ててペコペコと頭を下げる。

『よしよし。峰岸、1週間それな。』

「ごめんなさい、それだけは嫌です。許して下さい。」



後悔する悪戯心と出来心

『ごめんで済むなら警察はいらないと思わないか?』

「もう本当にごめんなさいでしたってば〜。この電話切ったら僕の番号消していいですから。」

しかし寮長は謝っても謝っても、許してくれそうにない。
それどころか、

『ー・・・いや、随分と面白いことしてくれたからな。そのお返しに、このまま使わせてもらうわ。』

「え゛。いや、あの。りょ、寮長!?消して、消して。」

『疲れてる克也を使うのも気が引けるしな。そうだな、克也の代理としてビシバシ使ってやるから有り難〜く思え。』

『面白そう』と、楽しそうなことには逆らわない主義が働いたのか。
そこで電話を切られてしまい、比路は今さらながら。

「まあアレだよ、ヒロ。悪戯したのはヒロなんだから、自業自得っていうやつ。反省の意味も込めて頑張れ〜。」

「えぇぇぇぇ〜・・・。」

こんなことするんじゃなかった・・・と遅い後悔をしたのだった。



青ノ葉 第76話をお読みいただきありがとうございます!


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