朝6時、学生寮の食堂にて。
「おはよう克也。」
「・・・おはよう、比路。」
この時間に最初にやって来るのは久野で、その次が比路。 でも今日、最初にやって来たのは比路で、その次が久野。 いつもと逆パターンとなった待ち合わせの朝。
「今日は比路のが早かったんだね。」
「うん。今日は珍しく目覚ましのアラームが鳴る前に起きれたから。いつも克也を待たせてばかりだったし、ちょっとだけ。っと言っても5分ぐらい前だけど早く来ちゃった。」
「そう、だったんだ・・・。」
それは過去にも、たまにあった順番の入れ替わり。 でも久野にとって比路が先にいるのは、あまり心宜しくないのか。
「・・・それなら俺も今後は5分、早めに起きるようにしようかな。」
「え。」
「俺に合わせて起きてくれてる比路を、さらに待たせるなんて。比路に申し訳ないし。」
どこか不服そうにしていた。
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