≪ top ≪ main


青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#74 青ノ葉学園の奥地(4/4)
]  [目次へ]  [

比路から朋也への頼みごと 3

そうしてチロ先生と別れたあと、司と朋也は一緒に園芸部に戻ってきた。
今日のところはおとなしく観念したとのことで、部活抜け出して家庭科室に向かうのを諦め、司はそのまま朋也の仕事を。花壇の水やりを手伝う。

「で?」

「ん?」

「なんで朋也。俺をしつっこく追いかけてたわけ?」

その最中に、司は朋也にいつまでも追いかけられた訳を問いただす。
いつもは司は司、朋也は朋也。
同じ園芸部員でもありながら、それぞれ別々で動いていたから。
そんないつもと違う朋也の行動は誰かの差し金で動いてるんじゃないかと、司は追われていた中で察したようだ。

「・・・森こそ。部から抜け出して、どこ行こうとしてたんだ?」

「ちょっと朋也?質問を質問で返さないでくんない。俺のが先だっただろ。」

「・・・・・・・・・。」

朋也も朋也で頼まれたこととはいえ、それを秘密にしておく必要はなかったため。むしろちゃんと伝えた方が比路のためにも司のためにもなると思い、問われたことを素直に答える。

「峰岸が森のこと、心配そうにしてたから。」



いきすぎた世話は、ただのお節介

それを聞いた司は、

「あー!朋也がヒロの味方したー!」

「味方も何も・・・。俺は事実を言ったまでだ。」

朋也が自分よりも比路の肩を持ったと思ったのだろう。
キーッと子供っぽく、ぷりぷり怒ってしまう。

「もうヒロもヒロで、なんで朋也まで巻き込むかな。サエ先輩とのこと、やっぱり根に持ってるくさいし。」

「俺なら別に・・・。それよりも峰岸を心配させるのは、あまりよくないんじゃないか?」

「ううん。ヒロのそれは心配って言わないから。俺からしたら、それは余計なお世話。お節介って言うんだよ、朋也。」

比路の心配は、司にとってはお節介。
要らない世話のようだ。

「でも実際、森が抜け出そうとしてたのは確かだったわけで・・・。」

「やっぱり朋也。俺じゃなくてヒロの味方してる。」

「だから味方も何も・・・。俺は事実を言ったまでだ。」



悶着し合った彼らの再会

そしてピンッと何かを閃いた司。

「んじゃ朋也がヒロじゃなくて、俺の味方になってくれるよう。朋也を招待してあげよう。」

「え。」

「朋也がさっき俺に訊いてきた質問の答えにもなるからさ。」

そう言って花壇の水やりを終えた後、朋也を巻き込む形で連れて行った先は、もちろん家庭科室。
部活の休憩中に永瀬に連れられてくる場所だから、朋也にとってそんなに珍しい場所ではない。
けど家庭科室には現在、家庭科部員である明人以外にも。犬飼や桃地の姿もあって事態は急変?

「サエ先輩ー!友達連れてきたから一緒に遊ぼう!」

「おー?司、今日は随分と遅ー・・・。」

「・・・・・・・・・。」

朋也は犬飼たちを見た途端。
犬飼たちは朋也を見た途端。

「なんでよりにもよって連れてきたのがコイツなんだよ。」

「・・・・・・・・・。」

前よりはバチバチしてないが雰囲気は悪化して、あまりよろしくない空気を漂わさせるのだった。

「あれ?ひょっとして朋也、サエ先輩にあまり歓迎されてない?」

「お願いだから、ここで喧嘩するのだけはやめてね。」



青ノ葉 第74話をお読みいただきありがとうございます!

そして新年早々?お待たせしました!
色々と不遇が重なり遅くなってしまいましたが
今年もどうぞよろしくお願いします!


]  [目次へ]  [
しおりを挟む




BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×