それから時間は進み、あっという間に放課後へ。
「待て、森!」
「朋也こそ、なんで俺を追っかけてくんだよ!」
部活動が始まったばかりの時間なのにも関わらず、朋也は司を追いかけ、司は追ってくる朋也から逃げていた。 そんな2人の事の発端は、比路からの頼みごと。 『部活をサボりがちな司を、コキ使ってでも何ででもいいからサボらせないようにしてほしい』とのこと。 先日、司と犬飼が出会っていたことを知り、さらに親しくなっている関係が原因で、司が犬飼の影響を受けてしまわないか不安なようだ。 その話を聞いて(確かに面倒だ・・・)と思った朋也だったが、自分の仕事をしながら頼まれた通りに司を注意深く見ていた。 そして司は案の定で、畑に植えてるミニトマトの世話を終えたら、部活抜け出してどこかへ向かおうとしてたので、とっ捕まえるように話し掛けて、自分の仕事を手伝わせるを理由にして阻止しようとする。
『森。暇してるなら、こっちの仕事も手伝ってくれ。』
『え?なんで俺が?』
しかし司にとって、それは今さらな話。 園芸部に入部して以降、朋也は朋也で。司は司で。それぞれ各々で活動していたから、これまで通りに自分じゃなくて他の人に頼んだらという目をしていた。
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