≪ top ≪ main


青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#75 気になる2人の親しい関係(1/4)
]  [目次へ]  [

親しそうにしている彼ら

学習時間を迎えるほぼ5分前。
学習時間中は無闇に寮の自室から出られない為、始まる前に飲み物を調達しようとジャンケンしあう司と比路の2人。

「やったー、勝ったー。そいじゃあヒロ、俺の分もよろ〜♪」

「はいはい・・・。」

パーで勝ったのは司。
グーで負けたのは比路。
よって敗者は勝者の分まで一緒に飲み物を購入しようと、学生寮の1階ロビーにある自販機へと向かった。
その時そのロビーにて、久野と日暮寮長が2人で何かを話し合っていていたのだ。

(克也と寮長、何を話してんだろう?)

そんな親しそうにしている彼らが気になる比路。
せっかくだからと声を掛けようとしたが、

(あー・・・、行っちゃった。)

久野も寮長も、こっちには気づかなかった模様。
お喋りしながらそのまま寮長室の中へとパタンッと入ってしまい、結局2人の話に混ざることは出来なかった。

(克也って寮長と仲良いんだ?)



昼食時は、いっつも

日付は変わり、次の日の朝。

「比路くんと朝ごはん一緒にするの、久しぶりになっちゃいましたね。」

「うん、そうだね。僕も朝、久しぶりにゆっくりできて嬉しいよ。」

夏の大会を控えている時期ではあるが、柔道部の朝練は本日お休み。
なので数日ぶりに司、比路、稚空、梅ちゃんの4人が揃って、寮の食堂にて朝ごはんを一緒に食べていた。

「今日もまた雨なんですね・・・。」

「ねー。やっと晴れたと思ったら、また再び雨続き。」

「まだまだ梅雨明け遠そうだね。」

今日の朝の献立は、BLTとツナの2種類サンドイッチにハッシュドポテト、コーンスープに牛乳。
本日はパンの日なのでお茶はセルフサービス。飲みたい子はお好きにどうぞ。ー・・・と、牛乳が付く日だったため、

「・・・ん。はい。司、あとよろしく。」

「わー・・・。朝からヒロに牛乳渡されるのも久しぶりー・・・。」

比路が牛乳1口飲んだあと、それはそのまま司に行き渡った。



ババーンと登場

するとその時、

「やぁ〜やぁ〜やぁ〜。ご機嫌よう、皆の衆!」

ババーンとやってきたのは文芸部の部長、3年生の田邊。
朝食を済ませたばかりで食器を片付けていた際、偶然ながらも4人に気づき、そのまま声を掛けてきた。

「「おはようございます、田邊部長。」」

田邊を見た途端、稚空も梅ちゃんも揃いに揃って『部長』と呼んでご挨拶。
「食堂に来てたんですね」とか。
「今日の部活、どうします?部長来れます?」とか。
同じ文芸部員として、親しげそうに話している。
その一方で、

「ヒロどうしたん?」

「・・・・・・・・・。」

比路は田邊に対して、顔を背けて目線も逸らして、極力見ないようにしていた。



グッドとバッドなタイミング

「っていうか、どうしたんですか?田邊部長。何かオレたちに用あります?」

「あるあるあるある。大辞典並みに超ありまくり。」

でもそれは無駄な努力。

「ー・・・なあ?峰岸。」

「・・・・・・・・・ッ。」

田邊が4人の元に来たのは、後輩部員(稚空や梅ちゃん)がいたからだけではない。
そこに比路の姿もあり、田邊にとって比路を捕まえるのにグットなタイミング。気付かれて話掛けられた時点で、もうアウト。

「え・・・。田邊部長、ひろピーに用あるんですか?」

「そうそう。知り合いになった仲ついでに、な?峰岸。オレに協力してくれるって話だったもんな。」

「知らないです、そんな話。僕、その協力を受けるって言った記憶ないですから。・・・あとアッキー、ひろピーやめて。」

田邊は比路に用があって、4人の元にやってきたのだ。



]  [目次へ]  [
しおりを挟む




BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×