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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#74 青ノ葉学園の奥地(2/4)
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比路の名を聞いて

「協力してくれてありがとう後藤くん。」

「いえ。俺は特に何も・・・。」

そんなこんなでとりあえず解決したことによって、空からお礼を言われる朋也。
けど朋也は2人を助けたのは自分ではない。

「なので礼を言うなら俺ではなくて・・・、こっちに。」

比路に目線を送り、そっちにお礼を言って欲しいと伝える。
こうして先に朋也と空が知り合っていたことにより、比路も空と名を交わす。
だがそんな比路の名を聞いて1番大きな反応を見せたのは、

「峰岸!?峰岸だって!?」

今も比路にとっ捕まりっぱなしな男子生徒の方だった。



田邊 大輔

「おぉ、ホントだホントだ。お前、峰岸じゃん。めっちゃ峰岸じゃん。こんなところで会えるなんて超ラッキー!」

「え、誰???」

その男子生徒は比路のことを知っているようだ。
出会えたこの偶然に感謝感謝。
でも比路からは、この生徒が誰なのか名前が分からない。
顔だけはどこかで見たような気もするが、今が完全に初対面。
そんないきなりに拍子を抜かし、その隙をつかれ、捕まえていた男子生徒を離してしまう。

「よっ、と。まあ、流石にそっちからじゃオレは分からないか。仕方ないな〜。この偶然に感謝して特別に名乗ったげよう。」

なので改めて、彼から自己紹介を。

「オレの名は田邊 大輔(たなべ だいすけ)。文芸部で部長やってるーって言えば、どこ経由で知ったか。ちょっとは予想付くかい?」

比路にとっ捕まっていた男子生徒。彼の名前は、田邊 大輔。
身長は169cm。3年C組、文芸部の部長を務めており、青ノ葉の生徒新聞は主に田邊が発行している。
だからゴシップが凄く好きで、噂立つとこ火の中水の中森の中。犬飼たちのような不良生徒とはまた違ったトラブルメーカーなのだ。
こうして彼が名乗ったおかげで田邊を知る比路。

「峰岸。文芸部って、確か。」

「アッキーと梅ちゃんがいる部活だね。」

文芸部と聞いただけで、ハッとした顔をする。



文芸部の部長はこんな人

「・・・こんな人が文芸部の部長だったんだ。」

「こんな人とは何だね、こんな人とは。1年のくせして上級生の先輩に向かって、そんなこと言っちゃっていいわけー?」

何せそれは自分の友達が2人、担任の本田先生が顧問をやってる部活動だったから。
そして生徒会会議ではクラス委員の他に各部の部長も集結するから、そこで田邊を見かけた記憶を思い出す。

「何も間違ってないはずですよ。田邊先輩はこんな人だから。」

「旬なゴシップを拡散して、全生徒にニュースを知らせる。それがオレの、文芸部部長としての使命だからな〜。」

「何が使命だ。思いっきり悪趣味でやってるくせに。」

そして空も鳴も、田邊は『こんな人』で大いに納得。
コクコクと首を縦に動かして、それを否定するような言葉は何も出なかった。

「そういうわけでー・・・。峰岸にはちょぉっと協力してほしいことあるからさ、オレとも仲良くしてよ〜。今後ともよっろしくー☆」

「・・・・・・。」

文芸部の部長である田邊と出会ったのも、きっと何かの縁が働いたのだろう。
田邊は超ご機嫌に『よろしく』をしてきたが、比路はちょっと引き気味。かなり引き気味。あんまりよろしくしたくないようだ。

「さぁて。今回はこれで見逃してやるが、鳴空の情報提供があった以上、いつでもスクープ狙ってるから。覚悟しとけよー。」

「くっそ。誰だよ、田邊先輩に俺らの情報漏らしたバカは!」

こうして騒ぎはここらで落ち着き、田邊も含めて空や鳴たちもこの場から去って行った。



比路から朋也への頼みごと

「なんか嵐が去ってったみたいだね。」

「だな・・・。」

「あの田邊っていう人に、僕は何を協力させられるんだろう。嫌な予感しかしない。」

そして比路と朋也は(主に田邊登場のせいで)中途半端にさせてしまったお話を。

「で?」

「ん?」

「さっき言ってた頼みたいことって?」

「あ、うん。そうだったそうだった。」

改めて戻して、比路から朋也へ。
頼まれた面倒事とは何だったのか。

「朋也にちょっと面倒な事、押し付けちゃう形になるんだけどー・・・。」

耳にした朋也は思わず「え。」と、一言返して止まってしまう。



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